Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

いいとこ取り!熟年交際のススメ 西原理恵子

いいとこ取り! 熟年交際のススメ (新潮文庫)
いいとこ取り! 熟年交際のススメ (新潮文庫)
新潮社
2016-04-28

西原さんの漫画はほとんどなく文章メイン。
そして、彼女の漫画のように毒のある笑いではなく
かなりまじめで正直暗いというか本音バシバシなので
笑うことができないという…汗


そもそも彼女の男選びの基準が

地元の貧しさ。田舎では泥棒になる子が多かったし、

女の子もヤリマンとかすごく多かった。

家庭内暴力が当たり前で、怒っている女の人や

殴られている女の人ばかり。

働かない・殴る・蹴るが標準装備の最悪のロイヤルストレート

フラッシュ男としか恋愛できないのかと思うと、

絶望的だもの。

と言うことから逃げるがごとく東京へ。
後は金が無くっちゃ生きてられない!!の一念で
全てをマンガのネタに変換して生きてきた。
このハングリー精神こそが彼女を支えている。
因みに殴る蹴るが標準装備、って彼女は1964年生まれである。
なんか今と比べるとそんなDV男だらけの町があるなんて信じられない。


本書の内容はかなり毒があるし偏っているのだけれど
ある意味「底辺から這い上がってきた女」が書いていあるだけに
きれいごとは一切なく全て「本音」。


何があっても仕事してメシ食いたい若い娘さんに言います。

「仕事の出来る男とヤっとけ」って。

不倫でもなんでもいいから、仕事ができる男と「ハメとけ」と。

そして自分のどこを特化したらいいのか、寝て教えてもらえ。

寝て仕事をもらえじゃなく、寝て習え。これを私は

「夜のスピードラーニング」と言うております。

(中略)

そうしてくるとね、寝た男が急につまらなくなる時が来るんですよ。

「アラッ」ってくらいに。

それはもうあなたが必要な事を全部吸収したって証なので、

その時は寝た男の頭をがっつり踏んで、上に登ってください。

貧困層の女が一気にのし上がるためには、

この夜のスピードラーニングをお勧めします。

とにかくクソつまらない男とやっちゃうと、ドツボにハマりますから。

バカはうつりますから、ご注意を。



まあ、不倫が嫌いだからもろ手を挙げて「いいね~」と言い難いのですが、
後半の「バカはうつる」と言う意見は賛成。
低いレベルの男としか縁がないのは自分にそれだけしか魅力が無いから。
狩場を見極めよう!と言うのもなんとなくわかる。


とにかく、このように男で苦労することなく今生活できているのは
私は夫様様なんだろうなあ…と。
がっつり捕まえておいて逃がさへんで!!!お父ちゃん!!!!


ところで本書で一番大切なのは、
西原さんはのし上がってきて現在「金を持っている」。
そして相手のかっちゃんはもっと金を持っている。
ついつい「金目当てで…」と邪推されると思うが本書を読むと
そうではないことがはっきりする。
それ以上にかっちゃんが西原さんにメスを入れないことが証拠。
「君はそのままでいい!!」って言葉に対してむしろ彼女の方が
「入れてくれよおおおおおおおおお」と怒っている。笑
かっちゃんにしたら散々「容器」だけにこだわっている女を大量に見てきた
結果きっと黙ってメスを入れつつ
「君は何回メスを入れたところで、その心根を変えない限り満足しないだろう…」
とか思っていると思う。
西原さんは容器よりも中身がしっかりしているから容器をさわる必要が無いのだと思う。
でも、かっちゃんはその「真理」を決して口にはしないと思う。
だって、「お客が減るじゃない」。笑
かっちゃん、おぬしも悪じゃのおおおおおおお~~笑
内面を磨け!自分で稼げ!そんな風に思っている二人が引きあうのは当然の
結果じゃないのかな?
50代と70代。
先が短いからこそ笑って過ごそう!
これも真理。