Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

森に眠る魚 角田光代

森に眠る魚
森に眠る魚
著者:角田 光代
出版社:双葉社
発売日:2011-11-10
カテゴリー:本

先日読んだ『ハピネス』の口コミに母親(特に専業主婦)のセレブぶりと言うか生態について書かれた本ならこちらの方が上!的な書き込みがあったので読んでみた。


まず最初に思い浮かべたのが「山田みつ子」容疑者の事件。
http://yabusaka.moo.jp/otowa.htm
もう忘れられたかもしれないけど、当時同じような子供を持つ身にはかなり記憶に残る事件だった。
「どうして、性格の合わない人とそこまで付き合ったの?離れたらよかったのに…」と。
特に被害者の葬儀にハート型の花輪と言う極めつけに「はあ??」と遺族のすることにかなり違和感を感じて、あれで余計に私は犯人の方に同情的に一気に傾いた気がする。
なんていうか、本人に悪気はないのだろうけれど他人の気持ちをイラっとさせる母親=被害者の母 と言うキャラを感じ取ってしまい、知らず知らずに被告にじわじわと精神的苦痛を与えたのだろうな、と。

まあ、それは現実の事件なのでそれはそれなんですが、本書を読むことによっていわゆるその地区独特の「お受験」に対する母親の気持ちが異常だからこそ起こった事件で。
正直なんでそこまで「学校」に執着するのか東京以外の人間には全く理解できない環境&心理状態なのでは?私の住む地域はむしろ私学より公立に進学するのが大半=常識 なので。
だから幼稚園から私学、私学って騒ぐその心理が本当に理解できない。
確かに環境は大切だと思う。親が平気でたばこを子供の前で吸うような親ばかりの幼稚園に子供を入れたくないと思うし。けど、最終的にはホント下から上までの人間と社会に出たら付き合わないといけない。例え、有名大学を出てもホント、心の中では思いっきりバカにしている種類の人間と仕事で付き合わないといけないことだってある。いつも同じ自分が属している「層」とばかり付き合えない。
なら、いっそのこと小さなときから「いろんな人がいるんだな」と言うことをわからせた方が子供の為になると思うのだが。

P118
『他人と比べることで人は不要な不幸を背負い込む』
P143
『習い事や幼児教室で会うお母さんも同じ。自分が何もできなかった分、子供にめいいっぱいの期待と夢を背負わせちゃっているような人ばかり。
東京に住んで、私立のお嬢様学校に通って、英語がペラペラでスポーツが何ができてお友達がたくさんいて、自分がやりたくてもできなったことを子供に代わってやって貰ている。
いわば子供は母親の小さな代役ってわけ』

ほんと、そう思う。
うちの子は××学校!って言うより、じゃああなたは結婚以来何か資格を取りましたか?
自分が努力して何か形になるものを残しましたか?とそれを聞くたびに思う。
合格したのは子供が努力したから。あなたは一体何をしましたか?と聞きたい。
他人(こどもだが)が勝ち得た結果を自分の手柄にするのは止めてください。
イラっとします!



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