Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

寄居虫女(ヤドカリオンナ) 櫛木理宇

寄居虫女 (角川書店単行本)
寄居虫女 (角川書店単行本)
著者:櫛木 理宇
出版社:KADOKAWA / 角川書店
発売日:2014-08-27
カテゴリー:Kindle本

読んでいてイライラします。不愉快感で。
ところで小説として成り立たせる小道具として仕方ないにしても、私の住む県では交番勤務の警察官は三交代勤務です。警視庁は人数が多いから四交代勤務だと聞いたことがあります。
それは、
いつ行っても同じ警察官がいるとは限らないということ。
なので、本文のように『全くやる気のない警察官がひとりいるだけ』状態はありえないと思うのですが…
また、犬猫の拾得ですらTVで「保護する施設が無いので…」と交番で預かった犬を自転車に積んで本署まで連れて行ったのを最近見ました。なので、犬猫ですらきちんと保護されるのに身元不明な幼児を他人さんに預けてほったらかしなんてこと、ありえます???
ここら辺の設定がまずイライラ。警察からしかるべき保護施設に連絡もしくは最低病院で検査すべきでは?この有りえなさはなに??と。
その後の展開もものすご~~~~~~~~~~~~くイライラするんですけどね。笑
そして、ネタバレですが、「初代」が死んだときその「顔」の特徴から警察は「山口葉月」だと思わなかったんだろうか?それとも化粧は取って死んだんだろうか?
これだけ「被害」が出ても警察は本当に動かなかったんだろうか?と不自然さを感じた。
まあ、小説を成り立たせるためとはいえなんかイマイチ納得できないものが。


その一方でこの話は「北九州・連続監禁殺人事件」を参考にしていると言いうことだが、最近では尼崎の連続監禁殺人事件の方が記憶に新しく、角田美代子がここに書かれているようなやり方で色々な家族を破壊し殺したのかとなんとなくわかった気が…
心を操り、本来の家族を疑心暗鬼にさせ最悪家族が家族に手をかけることになったのはこういうことか。
あの事件も主犯の自殺で幕を閉じてしまったのが非常に残念だが、もし生きていたらその手口をじっくり語ってもらいたかった。
それにしてもここに出てくる父親の最低っぷりはこの作者の小説では一つの典型と言っていいほど。
まだ、今までの小説より「助けてくれる人」が出てきただけ若干ハッピーエンドと言って良いぐらい。
この人の小説、読後感も読中もよろしくない(笑)のだが、妙に惹きつけられてしまう。


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