Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

天国はまだ遠く 瀬尾まいこ

天国はまだ遠く
天国はまだ遠く
著者:瀬尾 まいこ
出版社:新潮社
発売日:2011-06-01
カテゴリー:本

瀬尾さんの短編は読んだことがあって、読後感がほっこり系だとおもっていたけど、こちらは長編。
読後感は「残念だ~」の一言。
まず、設定が変!
OL:千鶴が仕事や人間関係でつまずいて自殺するために僻地に来たものの、睡眠薬では自殺しきれずに結局その民宿に居ついて自分の居場所はここではない、と気が付く「再生」の物語、と言えば聞こえはいいが、主人公の性格では嫌われて当然ではないか?ってぐらい性格悪い。
気が利かない、わがまま、独りよがり、人の気持ちがわからないetc.←これで好かれたらコワい
次に、民宿を経営している男。30歳で3年前に両親を交通事故で無くしそれまでのデパート務めを止めて僻地で野菜作りと民宿(ほとんど客0)で生きている。ミスチルとビートルズに区別がつかない。
なぜ?なぜって感じ?80歳ぐらいならまだしも。30でそれ?!
しかも、両親を交通事故で亡くしているくせに飲酒運転に抵抗一歳無し!不自然すぎ!
そう、全ての設定が不自然。23の女と一人こもっている30の独身男が一つ屋根に居ても「間違い」は一切起こらない、その性的な描写の無さが超不自然。子供に性描写は読ませません!的な配慮?
(作者はこの当時、現役の中学国語講師、あ、講師だ。教師じゃないんだ…)
中学生高校生向きだと設定がこれまた「再生」だと不自然だし。
P10

なんとかなる。適当に流しておけばいい。きっと大丈夫。物事は私が心配するほど、悪化しないものなんだって。このくらいの事、ちっとも大したことでは無い。笑っておけばいいんだ。

いつからだろうか。私は自分にそう言い聞かせるようになっていた。朝、布団の中で。

出勤前の玄関で。仕事の合間にトイレで。食欲のない時、寝つけない時。そうやって自分に暗示をかけないと、動けなくなっていた。

仕事も人間関係もきっと大したことではない。それは十分わかっている。でも、それらは私には困難で重大だった。気楽にしようといくら頑張っても、私の頭や身体は深刻に考えてしまう。

会社に行かなくてはいけないと考えるだけで、毎朝、頭が痛かった。



と、まあ、会社勤めの人間なら共感する描写がこの後も
ダラダラ続きます。


ここは読み始めて10ページ目だからまだ良かったんだけどね、読み進めていくとそりゃ、おめえが悪いんだよ!って言いそうになるし、そもそもこの程度で嫌になって自殺を思いつくならまず会社やめろよ!って感じで。実際、田村にそういわれるし。


それぐらいインパクトの弱い自殺の理由。そこらが多分共感を呼びにくいのでは?


あほらし、子供のわがままかい!って感じで。そこで一気になんていうか感情移入しにくくなるというか。


それで最後に田村に大根とかどっさり「お土産」を渡されて自分は元の場所に戻るのはいいけど、自殺するつもりですべて片付けてきた身で一体どこに帰るの?大根もってビジネスホテルに泊まるの?それから住居探し?無職で?大丈夫?なんて意地悪い気持ちで読み終えた。


まとめれば夢見る超オコチャマお嬢ちゃんの自分探しストーリー=超はた迷惑



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