アゴールニンズ ジョー・ウォルトン
- アゴールニンズ
- 早川書房
- 本
内容(「BOOK」データベースより)
古き良きヴィクトリア朝を思わせるドラゴンたちの国ティアマト国。
厳粛であるべきボン・アゴールニン啖爵の臨終の席は、いま騒然としていた。娘婿のデヴラク士爵が、横暴にも取り決め以上にその遺骸を食べてしまったのだ!遺骸を食らうことで、子竜たちは父の力と身体の大きさを受け継ぐ。力と大きさは社会的身分に直結するため、遺族の間で大騒ぎになった。この一件がきっかけで、やがてアゴールニン家の面々は、とんでもない騒動に巻きこまれることに…。登場するのはすべてドラゴン!亡き父の遺産相続とその娘たちの恋の行方をめぐるユーモラスな狂詩曲。2004年度世界幻想文学大賞受賞作。
登場人物(?)は「龍」というか「ドラゴン」。
ちゃんと階級を持ち「啖爵(だんしゃく=最下位)、士爵、珀爵(はくしゃく)、
蛟爵(こうしゃく)、甲爵(こうしゃく)」と順に上っていく。
召使は翼を縛られ飛ぶこともできない。などさりげなく身分制度の揶揄もある。
さらに「神父」と「牧師」の違いと言った「宗教」まで盛り込まれておりなかなか。
しかもドラゴンゆえに死ぬと「家族or親戚」に食べられるという…
食べた方はそれはそれで「身体が大きくなる=力を得る」と言う仕組み。
だからくいっぱぐれると、というか食べ物の恨みは恐ろしい…
ということきっかけに話は始まるのである。
ビクトリア朝と言うことで普段読んでいる「ヒストリカルロマンス」を
ドラゴンで読んでいるような…笑
しかも気持ちや婚姻状態によって体の色が変化して一発でわかるという。
(昔の日本の「おはぐろ」のようなもの)
よって見返しに描かれているドラゴンのイラストが「ああ、そういう意味ね」と。
あ、この作者はこれ↓の作者と同一人物。
- 図書室の魔法 上 (創元SF文庫)
- 東京創元社
- 本
中々癖があるというかさりげない毒と言うか見方がちりばめられており
調べると私と同じ「いて座」だった。妙に納得した次第。笑
毒が無くっちゃ読んでいてもつまらんし。
改題されて文庫化されたのがこれ。
単行本の重みのある表紙のイラストから一転してラノベ風。
改題のセンスもなんかね…低能と言うか…ねえ…
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