Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

天山の巫女ソニン 江南外伝海竜の子 菅野雪虫

天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子
天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子
講談社

他国王子の生い立ちをメインに構成された一冊。
妾の子として存在を隠されて伸び伸びと育っていたのに、
あることで知られたくない正妻の王妃にばれたことによって
運命は暗転…
「王子」とは名ばかりの良いように扱われる奴隷並みの生活…
そこに父王の「情け」も無く…
彼の心が段々と「閉じていく」描写に「…」。
こうやって悲壮&悲観そして復讐しかなかった彼の
暗い心の闇をソニンと出会うことによって明るく人間らしさを
取り戻していく布石として仕込んでいたんだなあ…
ソニンも一旦は天山で巫女として人間としてあるべき感情や欲を
捨て去ったものの下山して徐々にその感覚を取り戻していくのですが
この話って「人間として心の再生」の話でもあるのだな、と。


そう言う意味では人と人の出会いって本当に大切。
小学生の子どもがこの本を読んでそのことに何人が気付くのだろう?