Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

つめ 山本甲士

つめ
つめ
小学館

内容紹介

30代パート主婦、トラブルは受けて立つ!


真野朱音は、2年ちょっと前に、中学校の同級生勝裕と結婚した。

小学5年生になる勝裕の連れ子・裕也との3人家族である。

子ども会の渉外担当として朱音が南郷不二美を訪ねたのは、尾花公園に面した南郷宅の金網フェンスを覆ったイバラの棘で、子どもの怪我が続いたためだった。南郷は、50代後半の一人暮らしの女性で、愛犬はドーベルマン。気むずかしいという評判だった。イバラを剪定させてもらいたいとお願いすると、「子どもの怪我なんか知るか。親の責任じゃ、あほっ」と吐き捨てられた。

市役所が、公園にロープを張って注意喚起のプレートをかけてくれたが、その夜、寿司屋から特上にぎり八人前が届く。翌日には、ケーブルテレビが契約の確認をしたいと訪ねてきた。どちらも注文したのは自分ではない。やったのは、南郷だ。

同じ頃、裕也がまたいじめにあっていることがわかった。

裕也は、「僕はいじめられても平気な強い人間になる」という。

朱音は決心した。裕也に、身をもって教えてやるべきだ。やられたらやり返すべきだということを。いや、やらないとやられてしまうということを、だ。ご近所のモンスターとの壮絶なバトルが今、始まる――。


殆んど内容をばらしている内容紹介ですが(笑)、
借りた時は題名とイラストの犬で勝手に動物系ハートウオーミングだと
思っていたのに何の何の。笑
主人公の朱音は南郷に嫌がらせをされても「受けて立つ!」と言う主義。
これが今まで読んだ小説や自分の周囲の出来事だと
「一体誰がこんな嫌がらせを…」とか「我慢すれば…」など受身的な
グジュグジュしたうっとうしい(笑)展開になりがちなんですが
全く違いまして、器物損壊&傷害の一歩手前までガンガン攻めまくります。
サスペンスじゃなくてここまで来たらコメディ…みたいな展開に
「一体この二人どこまでエスカレートしていくんだ?」と息もつかせません。
一方、いじめられている継子の裕也の尊敬する人は「マハトマ・ガンジー」。
と来たら「無抵抗主義、非暴力主義」となるわけで彼は彼なりに正当な
やり方でいじめられない立場を手に入れます。
もう、そのやり方のスカッとすることと言ったら。
継母と南郷のバトルが「幼稚」に見える位、さわやか!
そしてその彼の聡明さは継母とその相手をも仲直りさせる素敵な作戦で
丸く収めます。まさに非暴力主義!


というわけで、中々面白い作品でした。
これをベースにドラマ化したら良いものが出来そう。
ただ、二人のバトルがあまりにも激し過ぎるので
放送コードに引っかかりそうではあるけれど…汗