Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

悩み相談、ときどき、謎解き? 成田名璃子

悩み相談、ときどき、謎解き?―占い師ミス・アンジェリカのいる街角 (メディアワークス文庫)
悩み相談、ときどき、謎解き?―占い師ミス・アンジェリカのいる街角 (メディアワークス文庫)
アスキーメディアワークス
2013-02-23

ラノベ、特にこのメディアワークスから出版されている内容の
特徴として
「舞台は京都」「謎解き」「ツンデレ」「食べ物、料理」「猫」
「もののけ」「異界」「日本人のはずがとんでもない毛色&目色」
そして何より
「妙齢の男女がいるのになぜか不自然なほど恋愛関係に意地でも発展しない」
と言う要素を組み合わせたら一冊できると言っても過言ではない。
アニメに至っては作画、声優がほぼ見分け、区別がつかないので
「はて、これは何の話だったかな???」としばし考えることが。


そんな「似たり寄ったりで区別がつかない」ラノベにおいて
作家が女性と言うこともあるのか、非常に機微のあるというか
ラノベでは普段軽んじられている「主人公の気持ちの移行」
「内面感情の吐露」と言ったものが盛り込まれていて
「お!!これは新鮮!!ラノベにしておくのはもったいない!」
と素で思った一冊。
因みにこれらを発表後、他の出版社から出しているので
ラノベ作家では終わらなかった模様。


内容

昼間はOLにして鍵穴からの観察者、ミス・ブースカ。夜は街角の婚活占い師として人気の、ミス・アンジェリカ。女達の悩みのエネルギーを換金するために始めたインチキ占いだったが、いまやこの街角には、様々な悩みを抱える人々が集ってくる。恋愛相談をはじめ、結婚運や仕事運、さらには不倫関係まで悩みは尽きることがない。だがまれに一風変わった悩みを持ち込まれることがある。隣でキャンドルを売る誠司のおせっかいもあり、度々それぞれの事情に巻き込まれてしまい―。



女性作家らしいな、と思ったのがちょっと気になるキャンドル野郎が
自分とは比較にならない位の美少女の事をかなり気にかけている時に
抱く胸がチクチク、モヤモヤするあの感情…
特に主人公は自分の感情を表に出すのが下手と言うか全く慣れていない為
自分のこの状態が一体何なのかわからない。
そんな「乙女あるある」描写が上手いなあ~と。
とても一般のラノベ男性作家では書きようがない表現だな、と。
まあ、下手に恋愛描写を書くと「リア充!×ね!」と読者が減ってしまうから
男性作家は書かないのか、真剣自分たちが未経験だから書けないのか。
とはいえ、今の男子は本当に「恋愛、めんどい」の一言で終わらせるから
恋愛描写なんて当節本当にお呼びではないか?
ラノベよりも一般小説に近い=主人公の感情を書いているのが良かった。
さて、待て次号!状態なのでどう決着をつけるのか楽しみ!