東京すみっこごはん 2 成田名璃子
- 東京すみっこごはん 雷親父とオムライス (光文社文庫)
- 光文社
- 2016-04-12
- 本
シリーズ第二弾。
本来は1巻で完結していた話なのに多分人気があったので
編集者が無理やり引っ張ることにしたのでしょう。
これって少年漫画あるあるで作者は終わりたいのに編集者の
意向が勝った挙句担当チェンジ!でグダグダになった末、
完全自爆のフェードアウトになるパターンが多いので
きちんと作家の意思が入ったもので続けてほしいものです。
さて、作者としては3話目の『雷親父とオムライス』を
副題に持ってきているのでそれが一押しなのだと思いますが
(多分、お涙ちょうだい傾向に持って行きたかったのだろう…)
年齢的に4話目の『ミートローフへの招待状』のおせっかいオバサンの
代表の「田上さん」の気持ちに共感&同化してました。
p274
それでも私は、ここだ、と思った。
みんな喜んで食べてくれる場所が、再び現れたのだ。
(中略)
それに長い間、誰かの為にご飯を作り続けていると、
作ってもらうということが贅沢に感じるものだ。
外食ではなく誰かの家庭料理というのは、
それこそ実家に戻るか、姉妹やよほど親しい女友達の
間でしかありえない。そしてこの歳になると、
中々そのシンプルな事が難しい。
私は狂ったように料理を作った。
作って、作って、作りまくった。
誰かに食べてもらうということが、あの時の私には
断固として必要だったのだ。
すみっこごはんの厨房と言う逃げ場が無ければ、
お酒におぼれていてもおかしくなかった。
「子ども食堂」と言うものが最近目に付くようになりましたが
もしかして子供の為にじゃなくて、私の様に
「空の巣症候群」に陥った人のための救済でもあるのかも
しれない、そんな風に思いました。
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