アンバランス 加藤千恵
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内容紹介
セックスなんて、しなくても生きていけるはずだった
日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。
しかし、夫は性的不能のはずだった。
夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。
そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは……
やるせない心情を繊細に生々しく描き出す長篇小説。
読んでいる間、ずっと息苦しかったです。
不倫写真、と上記の説明ではサラッと書いてありますが
実際はそんな簡単なものではなく、
自分の存在意義=妻としての自分の存在に
ついて考えさせられるものでした。
好きなのに、自分は妻なのに夫と抱きあうことができない。
むしろ現実に肉体関係を持っている不倫の方が気が楽なんじゃ
ないかと思うぐらいに…
p51
もしかすると私以外の人とだったら問題なく行為に至るのかも
しれない、と考え、架空の相手を思い浮かべては、
意味の無い嫉妬を繰り返した。
プロポーズをしてもらっているにもかかわらず、
自分が片想いしているかのような気持ちになった。
「愛人」でも「不倫相手」でもなく。
「正妻」と言う立場で「この心境」がわかる人にしか
本当の感想は述べたくない。
例えブログであってもある特定の内容に関しては
自分の本心を語ることが難しいことがある。
そこに触れられたくない。下手な触れられ方をしたらいまだに
傷口が開く。そんな感じ。
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