Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

東京ダモイ 鏑木蓮

東京ダモイ
東京ダモイ
著者:鏑木 蓮
出版社:講談社
カテゴリー:本

初作家さん
題名から受ける印象が「モダン」と言うか今時風だったのに、読後感は『永遠の0』に近い感じ。
あることをきっかけに「戦時中、戦後」について知らなかったことを知る、といった感じで。
もっともこちらは60年前の事件と平成の世に起こった事件とが絡み合う複雑構成。
また、探偵役(?)に自費出版社の編集者と正真正銘の警察との絡み合いがあって、正直ここを一本化した方がすっきりと「謎解き」に繋がるような…
また、編集者の「恋」と言うか感情は蛇足に感じるし、刑事の娘へのストーカー行為もイマイチアクセントには成りきれずで、もし映画化&映像化するとしたら間違いなくカットされる部分かと。
更に気になったのはある夫婦が男60代、妻「55歳」かつ息子が「35歳」って…
20歳で生んで、その母は「元薬剤師」と言う肩書にかなりの無理を感じる。
乳飲み子抱えて国家試験合格されたんですか?って感じで。
別に年齢の55歳はストーリーに関係ないから夫婦ともども60代でも全然問題ないのに。


表紙の写真を見たらトリックが見破れるのも推理小説としてはどうかと。
因みに「ダモイ」とはロシア語で「帰還」。