Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

東大を出たあの子は幸せになったのか 樋田敦子

東大を出たあの子は幸せになったのか~「頭のいい女子」のその後を追った
東大を出たあの子は幸せになったのか~「頭のいい女子」のその後を追った
大和書房

東大を出たのに幸せになれなかった代表として
「まつり」さんを抜きにしては語れない。
しかし言葉を変えれば電通に入った人もしくは
東大卒女子は全員自殺するわけでもないのだから
もっと別に理由があったはず。
彼女が死に至った第一の理由は
これは遺族には酷ですが「企業研究が出来ていなかった」
これに尽きるかと。
もしくは彼女が二浪三浪した末に大学に入っていればもっと
周りの目も違っていたと思う。
または努力すれば何でも手に入るわけではないと言う事実や挫折感
を味わうことをもっと早くに知っていればこれまた違っていたと思う。
「給料がいいから」と言う理由で電通に入社希望を出したと言われている
ところに「甘さ」を感じるのは酷か?
他の企業より給料が多い、
言い換えればそれだけの目に見えない「苦労」料が
加算されているということに気が付かなかったのか?
もしくは「同じ言葉が通じる人としか付き合えない」と別の本に
有った通り「東大生がひしめいている」官僚等もしくは最低でも
公務員になっていれば違っていたと思う。
東大の思考パターンが言わずとも通じる世界に属することに逆らって
あえて全く違う言語の世界を希望したのだからわかっていたはずと
わずか20歳足らずの子に言うのも酷か?


人には見えずともやっぱり「クラス、階級」が存在していると思う。
その言語、思考が通じないところではやはり違和感しかない。
「他の人はなじめているのに…自分の努力が足りないだけか?」と
多分自分を責めてなじもうとしたのではないか?
なじんでいる人達はその言語が理解できる人達ばかりが集っている、
それだけのことなのだが。通じない者はやがて遅かれ早かれ去っていく。
これは一般の企業でも同じこと。
下々のレベルではパートさんがなじめず早々に去っていくのはこの原理。
私が結婚した当時、今なら姑や兄嫁等の言動が「おかしい」とはっきり
分かるのにおかしい人ばかりの中に居たら「自分の方がおかしいのか?」
と、まともな判断ができなくなり自分を責める方向に走る。
同じ世界に住む人にもっと早くに相談していれば「あんたはおかしくない。
あっちが異常」とその間違いに気が付いて脱出できていたのかもしれない。
彼女はその機会を得ることができなかった。
相談せず自分で抱え込んでしまった。その結果があれだと思う。


東大卒だから必ず幸せになれるわけでもないし、
不幸になるわけでもない。
その人次第である。
ただやっぱりその能力が生かせる場所を見つけない限りは東大卒に限らず
生きていくのは苦しい。
特に女は。


※ほぼ、本書に関する感想とは程遠くあくまでも「まつり」さんに
対して思うことをメインに書いています。