Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

屈折光 鏑木蓮

屈折光
屈折光
著者:鏑木 蓮
出版社:講談社
カテゴリー:本

医療ミステリーと言うと海堂尊が筆頭ですが、医者ではない人が医療知識を駆使してミステリーに仕上げているところが素晴らしい。
偉大なる医者の父親に反発して獣医師になった主人公。
けれど、その父がヤコブ病を発してどんどん今までの父とは全く違うものになってしまう葛藤。
一方、自身も狂牛病が疑われる牛の骨と向き合う。また、同居人だった恋人も事故死するというどんどん何かが一つに繋がっていく展開。
ある意味、犯人や父が患っている病気など読んでいると伏線が透け過ぎている気もしないけれど、親子愛、尊厳死などただの推理オタク展開ではないところが良かった。


「死は負けではない」「一日でも生きる。そして寿命がくれば、懸命に生きたことに拍手喝采で、歓喜して死ねる。臨終は凱旋だって。」こんな風に死を勇気をもって迎えたい。