Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 高殿円

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 (ハヤカワ文庫JA)
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 (ハヤカワ文庫JA)
早川書房

題名を見たらわかる通り、某有名推理小説のパロディ…
と思いながら読むと、密林の商品説明で

女性化現代版ホームズ・パスティーシュ登場!

とあり、「パスティーシュ」って何?となり検索。



↑ 正直、その微妙な差がわかりません。


本作、登場人物を全部「女性」にしています。
なので、タイトルの「緋色の憂鬱」と言えば、
女性ならではの憂鬱…そう、あの「赤色」に悩まされる
女性特有の特性をうまく利用してます…
それゆえに女性に置き換えたんだろうか?とかまあそれなりに
読んだのですが…


この高殿円さんと言う作家は非常に「惜しい」作家さんだな、と。
『メサイア』のスパイ物にしても作品内にさりげなく
小説を通じての社会風刺を組み込んで書いているのに
なぜか、人物描写と上手くかみ合わないのか「中途半端」に
なり過ぎて、せっかくの社会風刺が生きてこず、むしろ
邪魔になってエンタメでもなく、かと言って深みのある小説でもなく…
しかも世にあるラノベが全く内容も面白みも新鮮味も無いのに
続巻があるというのに、この人は一発目で人気を得ることができないせいか
常に続編があるような終わり方をしているのに続きが無いので
一作目で終わる本としては中途半端…となり、どこまでも座りが悪すぎ。
よってただの作者の「趣味」で終わった感大!


編集さん、この作家さんにこの人の趣味だけで終わらせずに、
読者をひきつける様な構成になるように教えて(考えて)
あげてくださいよ。
それが編集の仕事でしょ?