友だち幻想 人と人のつながりを考える 菅野仁
- 友だち幻想 (ちくまプリマー新書)
- 筑摩書房
- 本
読めば夢の中に…と新書でページ数もすくな~~い本なのに
読むのに苦労した一冊。
因みにこの本は槇村さんの本↓で紹介されていたので借りた。
読者層は「中高生」のはずなんだけど、著作者が教育大学で教えているせいか、
なぜか「これって教育大学に行っている学生向き?保護者向け?
それとも現在教育に携わっている人むけ?」と内容にぶれがある気が
するのですが…
また、結構「毒」というか「教育の理想と現実」の間で悩んでいる人への
アドバイスというか「理想を子供に押し付けるからひずみが出る」
みたいなことも書いてあって私のようにすでに「外部」になった人間には
「そうだよな~」と思えるのですが、現在その「まっただ中にいる人」たちが
読んでも「それはそうなんだけど…」とまたもや違う悩みを持ちそうな感じ。
p116
もう一つ(学校では)教えないことは何かというと、
「君にはこういう限界がある」ということです。
そもそも人間が生きている限り、
多かれ少なかれ限界や挫折というものは
必ずやってくるものです。
それを乗り越えるための心構えを少しづつ
養っておく必要があるのですが、
今の学校では「君たちには無限の可能性がある」というような
メッセージばかりが強くて
「人には誰にでも限界がある」
「いくら頑張ってもダメなことだってある」
ということまでは教えてくれません。
ものすご~~~~い真理!!!!!!
それこそ、学校でこの「事実」を口に出して教えてくれない
のだからこそ、こういったことを書いて教えてくれる
「読書をしなさい」という本書の最後のまとめが
ある程度、年がいった人間にはわかるんだけどね…
p128
過剰な期待を持つのはやめて、人はどんなに親しくなっても
他者なんだということを意識したうえでの信頼感のような
物を作っていかなくてはならないのです。
長男が「結婚にメリットがないからしない」と言いましたが
本書にもp20~
一人で生きていても昔のように困ることはありません。
ある意味で「人は一人では生きていけない」というこれまでの前提が
もはや成立しない状況は現実には生じているといえるのです。
(中略)
でも普通の人間の直感として「そうは言っても、一人は寂しいな」
という感覚がありますね。
(中略)
ではなぜ一人では寂しいのでしょうか。
やはり親しい人、心から安心できる人と交流していたい、
誰かと繋がりを保ちたい。そのことが、
人間の幸せの一つの大きな柱を作っているからです。
だからほとんどの人が友だちが欲しいし、
家庭の幸せを求めているわけです。
まだ、長男には「一緒にいたい人」が見つかっていない、
ということで。
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