Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

友だち幻想 人と人のつながりを考える 菅野仁

友だち幻想 (ちくまプリマー新書)
友だち幻想 (ちくまプリマー新書)
筑摩書房

読めば夢の中に…と新書でページ数もすくな~~い本なのに
読むのに苦労した一冊。
因みにこの本は槇村さんの本↓で紹介されていたので借りた。

ババアはつらいよ アラカン・サバイバルBOOK
ババアはつらいよ アラカン・サバイバルBOOK
集英社

読者層は「中高生」のはずなんだけど、著作者が教育大学で教えているせいか、
なぜか「これって教育大学に行っている学生向き?保護者向け?
それとも現在教育に携わっている人むけ?」と内容にぶれがある気が
するのですが…


また、結構「毒」というか「教育の理想と現実」の間で悩んでいる人への
アドバイスというか「理想を子供に押し付けるからひずみが出る」
みたいなことも書いてあって私のようにすでに「外部」になった人間には
「そうだよな~」と思えるのですが、現在その「まっただ中にいる人」たちが
読んでも「それはそうなんだけど…」とまたもや違う悩みを持ちそうな感じ。


p116

もう一つ(学校では)教えないことは何かというと、

「君にはこういう限界があるということです。

そもそも人間が生きている限り、

多かれ少なかれ限界や挫折というものは

必ずやってくるものです。

それを乗り越えるための心構えを少しづつ

養っておく必要があるのですが、

今の学校では「君たちには無限の可能性がある」というような

メッセージばかりが強くて

人には誰にでも限界がある」

「いくら頑張ってもダメなことだってある」

ということまでは教えてくれません。

ものすご~~~~い真理!!!!!!
それこそ、学校でこの「事実」を口に出して教えてくれない
のだからこそ、こういったことを書いて教えてくれる
「読書をしなさい」という本書の最後のまとめが
ある程度、年がいった人間にはわかるんだけどね…


p128

過剰な期待を持つのはやめて、人はどんなに親しくなっても

他者なんだということを意識したうえでの信頼感のような

物を作っていかなくてはならないのです。


長男が「結婚にメリットがないからしない」と言いましたが
本書にもp20~

一人で生きていても昔のように困ることはありません。

ある意味で「人は一人では生きていけない」というこれまでの前提が

もはや成立しない状況は現実には生じているといえるのです。

(中略)

でも普通の人間の直感として「そうは言っても、一人は寂しいな」

という感覚がありますね。

(中略)

ではなぜ一人では寂しいのでしょうか。

やはり親しい人、心から安心できる人と交流していたい、

誰かと繋がりを保ちたい。そのことが、

人間の幸せの一つの大きな柱を作っているからです。

だからほとんどの人が友だちが欲しいし、

家庭の幸せを求めているわけです。

まだ、長男には「一緒にいたい人」が見つかっていない、
ということで。