Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ぐるりよざ殺人事件 古野まほろ

ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録 (角川文庫)
ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録 (角川文庫)
KADOKAWA
2016-01-25
Kindle本

「ぐるりよざ」とは

ラテン語のグロリオーサ(グレゴリオ聖歌)を、

日本のキリシタンが歌い継ぐうちに訛ってできた言葉


前作よりは少しはましになったかな、という感じ。
とはいうものの、全体の三分の一(特に前半)は
キリスト教に関する「うんちく」、
三分の一はこれまた雑学というか自分の知識の披露、
残り三分の一が何とか「ミステリー」という感じ。
よって、本当に「読む部分が少ない」


たぶん、ページ数を割いているキリスト教に関しては
文中に
「サーヴィスサーヴィス」「赤木博士の許可も取らずに」
何より「今日子」の「裏ビースト発動」といったところに
「エヴァ」臭さを感じるので、この人、たぶん「エヴァ」に
興味を持ったものの、まずはキリスト教を理解しない事には
先に進めないと判断した結果、その研究結果を発表する場を
本書に設けたのか?と推測する。


後の雑学というかウンチクはほんとひたすら本文を
「読みにくく」するための「わざと」としか思えず。
それって本人のプロフィールをとりあえず信じて
「東大卒の警察庁職員」だとしたら
「国民に簡単なことをわざと難しく、理解しにくい文書を
作ることに人生をささげてきた後遺症」がこんな風に
なったのでは?と推測する。


「国民は一生を我々選ばれし、官僚と一部の国会議員の
為に税金を生み出す汚らしい卵だ」位思ってるんじゃね?


推理の部分に至っては…
これ、堂々と「自分はミステリー作家である」と
名乗れるとしたら相当「逝っちゃってる」厚顔無恥な人かと。
あ、すみません。
高尚な文学を否定することを書いて。
なんせ「サル」なんで。


この人、官僚(東大卒が大半を占め、同類ばかりだから
感じないだけ、もしくは通用するのかもしれない)だから
やっていけたのであって、もし一般企業だったら
間違いなく「古野君、君の報告書、わかりにくいから
もっと端的に書き直して。」と突き返されてばっかり
いるだろうなあ…
でも、思うのよ、この人。
「こんな素晴らしい報告書が理解できないなんて…
所詮サルだからな…」


それにしても冒頭に
「時をかける少女らが」とか「鬱墓村(うつはかむら)」だとか
文中にも「戦国自衛隊か!」など
作者、薬師丸ひろ子か原田知世のファン?(同世代?)
いや、そもそも角川出版なので角川映画万歳!って感じの
パロディというには何とも…
「鬱墓」に関しては「八墓村」の映画の雰囲気を思い出すし…
(特に駐在さんの「ウッホン」の咳払い…)
で、一番気持ち悪いのが文中の女子高校生が
「あはっ」という笑い方をするところ。
いつの時代の少女漫画か少女小説を「参考」にしたんですか?
それとも今どきの童貞御用達の小説や漫画にはこの「あはっ」という
笑い方が「定番」なんでしょうか?
リアルで聞いたら後から飛び蹴りキックかますこと請け合いですが…
それでも多用しますか、この作者…