Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

月光のスティグマ 中山七里


月光のスティグマ
月光のスティグマ
著者:中山 七里
出版社:新潮社
カテゴリー:本

神戸市須磨区に住む淳平とその隣に住む双子の優衣と麻衣。
このままいけば優衣と…と思っていたのに阪神大震災が3人をバラバラにする。
成人した淳平は東京地検特別捜査部の一員になっており、追っていた事件で優衣と再会。
大阪地検の大失敗も織り込み、さらに3・11をからめ、政権交代をベースに果てはテロの人質まで話は及ぶ。
ラストは「集団的自衛権」が正しく発動した場合こうなればいいなあ…と思わせる。
まあ、実際は大使館の前でドンパチやってテロリストに気づかれて、人質全員皆殺しの憂き目だろうけど…



因みに題名の「スティグマ」は「傷痕」の漢字に充てて使われていますが、本来は「負の表象・烙印」の意味。
淳平は二人からは「正しい男の子」認識ですが、元恋人の遥子に取った態度を考えると「正しい?」ってなるんですけど。彼が誠実に対応するのはどこまでも優衣だけ。
結論を言えば、あれこれ盛り込み過ぎた割にラストがイマイチなのは、ページ数が足りない=詳細な描写が無いからだと。事件を盛り込んで背景に持ってきたのはいいけど盛り込み過ぎでピントがずれたなあ…と言う感じ。






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