英国メイドの日常 村上リコ
これを読むといかに日本で蔓延している「メイド」の
認識が実際と違っているかがよくわかる。
「ご主人様~」と甘えた声でご主人様の近くでお世話できる
「レディズメイド」になるには何年も働いて実績を上げねばならぬ。
むしろ日本でいえば口減らしのために村から奉公に出され、
あまりに仕事が過酷ゆえ、逃げ出す…のは小僧さんとメイドも同じ。
むしろ「下級職種」扱い。(皿洗い専門から始まる)
よって、何気に読んでいた、これ↓
- エマ 全10巻 完結セット (Beam comix)
- エンターブレイン
- 本
これはメイドと貴族の坊ちゃんの恋物語なのですが
いかにこの時代、このカップルの成立が難しかったというか背景を
知っていれば書いてある内容にもっと理解を示せたのになあ…と。
今回これを書くにあたって『エマ』を読み返していますが
確かに1巻ではエマに郵便屋さんがラブレターを渡しています。
これは当時、労働階級同士で結ばれるのが普通だったから。
全編に「階級(クラス)の違い」で二人の間が阻まれます。
ただ、ストーリー的にはエマの協力者が
いわゆるこってこての老舗貴族ではなく、社交界になじめず隠遁して
しまったウイリアムのお母さんやエマの新たな雇い主の奥様が
イギリス貴族ではなくドイツのお金持ち…といった人たちだからこそ
「古きしきたりに縛られず」カップルがハッピーエンドになったといっても
過言ではないはず。
自転車の描写、メイドをはじめとする使用人たちの結婚式でのはじけっぷり…
など、本筋とは違った描写があったのですがこれはエマを読んでいる時は
「?」でしたが、本書によって実際にこんな風だったんだな、と。
しかもあとがきに
英国のメイドに関する調べものを始めたばかりの頃、
初心者の私に広い世界を教えてくれた森薫さん。
としっかり謝辞があり(笑)、アニメの「考証」という
仕事でも関わりあった仲だとか。
森さんのメイド好きはむしろ研究者に影響を与えていたのか…と
なんかほほえましかった。
と、完全に『エマ』の感想になっているという…
- [milky time] メイド服 カチューシャ付き 英国風 (Mサイズ)
- milky time
- Hobby
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。