Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉

昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
河出書房新社
2016-01-07

Sちゃんご推薦の作家さんの小説。
この本だけ予約待ちなしで借りれたので読みました。



う~~ん、これは…
あ~なんと言いますか…
まあ、コメント欄閉じてるし(!!)すみません、素直に書きます。


よくわからなかった、その一言に尽きます。
ものすご~~~く「ふあふあ」した感じの内容&文体で
何か(作者が言いたいこと)がつかめそうなのにつかみきれない…と
いう不完全燃焼な感覚。
作者が「私の言いたいことはこれだ!!!」と全身でぶつかってくるのが
好きな私には「何だろう、モヤモヤする~~」という感じでした。


ただ、義父(作中は最初から最後まで「ギフ」とカタカナ表示)と
嫁の二人暮らし(息子であり夫の一樹は死亡)に
嫁の彼氏(?)である「岩井」が登場し、義父と彼氏が
「嫁(彼女)にこんな詐欺がばれだらどうすんだ!!」と
慌てている部分は笑えましたが。
まあ、法律上の家族だけが家族ではないとか結婚制度に縛られない、
という点では「新しい感覚」なのかもしれませんが。
変な人ばっかり出てくるなあ…と感じるか、優しい人しか出てこないと
とるかは読み手次第ですね。
感想って、やっぱりその読み手の背景、人生観によって全く違いますよね。




※これ、別に「家族の理想」の形としての「メルヘン」を
書きたかったわけでもないですよね?
真面目に自分たちの思想に基づいて書いているわけですよね?
この作家さんたち。(夫婦共作だそう)
今どきの若い子は「責任を取りたくない」一心で「縛られたくない!」と
こんな不安定な形でも受け入れたがりますが、実際問題として、この現状のまま
ギフが突如亡くなったとしたら、これほどまでにない理想な関係であり、
その主たる環境を生み出している「家」そのものは嫁には相続権が無いので
嫁はもちろん「同居人」の形になるであろう「岩井」すらも家を追い出されるんですよ?
万が一「遺言」があり、他の遺族が納得すれば別ですけど、遺言もない場合だと
それこそ「虎尾」(一樹の従兄弟)の両親が生きているので
相続権はそちらに移行するわけで。
「結婚制度に縛られたくない。この話、サイコー!」っていう人は、なぜ「制度」が
存在し、その制度があるが故に「守られている権利もある」という事を知るべきです。
と、メルヘンに真剣に突っ込んでしまう私…
「新しい家族のカタチ」でも何でもない。ただの「シェアハウス」の話。


辛口で申し訳ない。