Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

鴨川貴族邸宅の茶飯事2 範乃秋晴

鴨川貴族邸宅の茶飯事2 恋の花文、先斗町通二条送ル (メディアワークス文庫)
鴨川貴族邸宅の茶飯事2 恋の花文、先斗町通二条送ル (メディアワークス文庫)
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副題が『恋の花文、先斗町通二条送ル』という事で1巻は『先斗町通二条上ル』でした。


本作p185

アイディールプリンス邸の庭園を南に抜ければすぐに京都市役所が見えてくる。最寄り駅は地下鉄東西線、京都市役所前駅だ。


という事は、この英国貴族の家として設定されているのは「御所」という…
なるほど。草花の種類は別として広々とした空間のイメージを和から洋風に置き換えたら
あてはまるわけか!てっきり平安神宮周辺(岡崎公園、動物園)をイメージしてました!
川の側とか二条、先斗町という語彙に騙された!!!!


で、今回の話。「四条大橋」で待ち合わせ、という設定。
上記の地図で言えば「京都河原町」という文字の下の部分がそれに相当するのですが、
執事見習の男はなぜか東西線に乗って「山科駅」に行ってしまい10分遅刻してしまうという…30分あるんだったらこの男の身体能力であれば「走って行くほうが早い」距離だと思うのですが…と突っ込んだら今回の話は進まないんですよね…汗
特にこの話では「男と女の意識の差」=「言葉の裏を読み解く」テキストとしては最適だと思いました。うん。世にいる女心がちっともわからない男どもはこの部分をよく読んで
シッカリ理解しろ!!!とうなずきながら読みましたが「言われた通りにしてなんで怒られなあかんねん!」といつも夫が言う言葉が頭の中をぐるぐる…
同じ失敗を何度も繰り返す夫を「男という生き物は本当にアホだ!」と生物的にバカにしていたのですが「本当に全く持って根本から女が言う言葉の裏を理解していない」から何度も同じことを繰り返す…という事がよくわかりました。同じ景色を見ていても全く違うものを見ている、そんな感じ。


というわけで本作「4人の国家執事による男性に理想を持ちすぎて現実を見ようともしないお嬢さま達の矯正話」と「超不器用な執事見習男の恋愛物語」の2本柱で進行中。
女心をわかりやすく言葉で解説できる、奇特な作家だと思います。
ただし、全体的にどこか「変」であることは確かですが…