Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

すべてがFになる 森博嗣

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫)
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫)
講談社
Digital Ebook Purchas



以下、酷評します!笑いわゆるネタバレします!をやります!


という事で世にいうネタバレだろうが何だろうがさくっと披露して書きます。
ミステリーにおけるネタバレは鉄則に反するとか聞こえない。
そういうのは「正統派ミステリー作品だけにささげられる敬意」である。
くそみそに読者に突っ込まれた時点で駄本なのよ。


まず、読み始めて「あ~これは理数系、特に偏差値高い系の大学出身者及び医者系作家におけるあるあるの一つ、無駄な文章というよりウンチクをどんどん披露して幹が見えなくなる作戦。それでなくてもデビュー作は枝葉が多くて読みにくいのに」という作風。
ああ、こりゃなるほどな、と納得のエンディングを迎えれそうにないタイプだろうなあ…と思ったので60ページほどで次男に聞いたら
「おおむね、その指摘は合っている。最後も???になると思うので途中放棄しても問題ない」とのお言葉。
けど、一応次男的には面白いと感じたから私にラインしてきたのだから…と我慢して読んだ。


いや、無理っしょ。近親相間という子作りの「タブー」すら知らない15歳の小娘がどうやって子供を育てる?オムツは?ミルクは?どうやって調達?
これを「成立」させるには明らかな外部の協力者が存在しないと無理。
もっと言えば子育て(特に新生児)をした事の無い人間にしか通用しない理論。
ただの天才プログラマーであって「天才」の定義って何?全能の神じゃないでしょ?
15歳と30歳の見分けがつかないってどうよ?いや~無理無理…


と、読んだ人にはわかる内容に一応とどめる。笑


既に大成している作家が「これはいい!」と褒めたら未熟な読者も右に倣え!で
「いい!」「良かった!」という高評価に走りがちなパターン。
先輩作家が誉めるのはそうやって煽らないと出版業界風前の灯だからね…
盛り上げて買ってもらわないとダメなわけよ。いつ自分たちの食い扶持が無くなるか不安だから「この作品はいい!」って解説でも帯でも持ち上げないとだめ。
持ちつ持たれつの老い先短い業界のバランスが透けて見えそうな…


「小説」としての文章の美しさも無ければ、完全無欠のトリックがあるわけでもなし。
読者を納得させるだけの「殺人に至るまでの動機・経緯」も無し。
ただただうわべだけのウンチクで枝葉を付けてごまかしているのが実情。
もっと言えばご都合主義のゲーム的。
今の時代「本格派ミステリー」というか「トリック」を成立させることがほとんど不可能では?


※題名もいかにももったいぶった・意味深に思える、売るための作戦だなあ…
(読み終わったら一瞬で忘れタイトルの意味)