Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

刀圭 中島要


刀圭
刀圭
著者:中島 要
出版社:光文社
発売日:2013-08-23
カテゴリー:本

尊敬する父に習い自らも「貧乏人限定の医者」になろうとする若き医師の物語。
と書けばものすごい熱血漢のやる気満々ストーリーに思えますが、現実は患者がお金を払ってくれないので薬を仕入れることができず、診ることができない。
そうなると今までタダで散々診察してもらっていたから不満タラタラ。
挙句の果て、刺された放蕩息子を手術で助けたものの、そのろくでなし息子が再犯を犯して、おふくろさんが命を絶つと今度は「助けなかったらおふくろさんは死ななかったのに…」とこれまたいわれのないというか感謝の言葉も無い心無い貧乏人の理論に精神が蝕まれていく…
と、まあ、医者も人間。精神を病むほどに悩むわけですよ。24歳のひよっこだし。
この貧乏人の理論、今にも通じるものがある。
生活保護を申請して後は何もしなくてもお金が入ってくることに一度でも味をしめた人間が、自ら汗を流して働こうなんて絶対に思わない。ならば、年齢等を考慮して半年だけ、とか期限を切らないと。「ただでしてくれるのが当たり前」と味をしめたら、ホント善意が当たり前になる怖さ。


それにしてもこの作家さん「女郎&貧乏」の設定好きね~

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