Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

総務部長はトランスジェンダー 岡部鈴

総務部長はトランスジェンダー 父として、女として
総務部長はトランスジェンダー 父として、女として
文藝春秋

う~~~~~~~~~~~~~~~~~ん、微妙やなあ…
特に「妻」の視点でこの本を読むとどうしても「奥さん気の毒…」という感想になります。いっそのこと養育費を払って離婚したらどうですか?と。
そもそもよくあるLGBT系と違って幼少のころから「性差」について悩んでいた様子もないし、むしろ50を前にして女装に目覚め、あれよあれよという間に女性化しただけの話…って思える。今迄読んだ本では幼少のころから悩んでいた人は10代後半から20代にかけて自分は「こっちの性別で生きていく!!!」と決心をしてその性別で生活をしているから「結婚はおろか子供を持つことも夢…」という気持ちをもって生活しているはず。
なのに、この人は女性と結婚して子供を設けている。発売当時子供は中学生…という事ですが未だに息子にはカミングアウトしていない。(妻と会社や同級生にはしている)
なんていうか…ずるい。奥さんを傷つけてまで「自分の趣味(?)」に突っ走っているようにしか見えない。


なので女装過程の一環で知り合った「みどり」さんは著者に対して辛辣な意見を述べている。
p157~

彼女は自分なりの生き方の美学というものを強固に心の中に留めている人だ。

トランスして生きること、家族を持つこと、社会とどう接していくのか、ハッキリしたバイブルを心の中に持っている気がする。(中略)

特に、家族、パートナーとの関係の在り方、倫理的な問題も含めて、私について厳しい見方をしていた。(中略)

彼女もかつては結婚をしていたのだが、いろんな経緯から離婚し、現在は独身だ。

結果的に結婚相手を幸せにできなかった事への後悔もあるのか、妻の立場から見た私の行動への手厳しい言葉が多かった。

夫が女装や自分の中の女性に目覚めたからと言ってそれをあからさまにして生活をおくるなんて、妻の立場から見たら理解で切るはずもない裏切り行為だ。その裏切りを正当化しながら、妻の気持ちを踏みにじってまで女性化を推し進め、それを認めさせようとすることは、一種の精神的なドメスティックバイオレンスに他ならない。いつもそう、彼女は私を諫めた。


奥さんから笑顔、表情を奪っておきながらそれにきちんと向かい合って話し合う事もせず、外堀を埋めるかのようにこの本を出版し「会社も、兄弟も認めてくれる!」と
自己保身、自己弁護に走ったかのような行動。大切なことを当事者の口から直接聞かされず間接的に知らされる事の方がどれほど精神的ショックを受けるか全く考慮していない様に思える。
男、女といった性別以前の問題で身勝手で思いやりの全くない自分勝手な生き物が書いた手記。