Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ひめごとは貴婦人の香り エリザベス・ホイト

ひめごとは貴婦人の香り (ライムブックス ホ 1-4)
ひめごとは貴婦人の香り (ライムブックス ホ 1-4)
原書房

自分はなぜこのクソ暑い中(注:ペットの為にエアコンは付けてます)このクソおもんない本を真剣に読んでいるのだろう…残り三分の一のところに来てやっと面白くなるまでは苦痛を伴っての読書だった。



それでね、なんでこんなにつまらなかったというと「初めから身分違い」って判っているのに強引に作者が恋愛話に持ち込もうとしすぎている気がして全くのめりこめなかった。
恋愛が始まらないとこの手の小説は話が進まないとはいえ、何かなあ…としか。
例えばですよ、ほんと、例えばの話、
将来の仕事も決まっていない大学生の分際で高貴な身分の娘に押せ押せのプロポーズする?一方400万の借金も払えないような貧乏人のくせに私にプロポーズする?って
嫌悪感丸出しで歯牙にもかけなかったのに好きになる?ってありえる?
あ、違った。
男の方は戦争で裏切者がいる、という事でその犯人捜しの為に都会のロンドンへやってきた。商売はうまく行っているのでそれなりの金はある。ただし平民。
一方、女の方は貴族で未亡人+一人息子あり と今までにないパターンながらも貴族らしく性格はかなりきつく「植民地(=ボストン)の男が!」と見下しているわけで。
上官の妹=貴族 という事を知っておきながらなぜか好きになった挙句、一緒になれないとかなんとかわけわからん。そもそもヒロインが処女パターンだと放蕩者系だったら
「未亡人ともよろしくやっていて…」という描写がいくらでもあるので「別にヒロインは未亡人なんだから通常の様によろしくうまくやればいいだけの話では?なぜこんなにややこしくする必要がある?」と突っ込みたくなるし、先の本

ハーレクイン・ロマンス (平凡社新書0930)
ハーレクイン・ロマンス (平凡社新書0930)
平凡社
Digital Ebook Purchas

でも指摘されていた通り、本作でもシルクの高価なドレスをヒーローが容赦なく破った末に挿入に至る「レイプ小説」でもあり、さらにこの本では「ストーカー小説」でも
あるわけだ…とこの手の話からロマンチックを取り除いたら結構「エグイ」事で成り立っている…と開眼させられた気になったのである。


シルクマスク1枚分でも2000~3000円する今のご時世。
ヒロインが「私のドレスを破った!弁償して頂戴!!」と言わないのはそれに値するだけのセックスを提供してもらったことに他ならない。(違)