Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

売春島 高木瑞穂

売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ
売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ
彩図社

皿ちゃんが紹介していた本。
はい。題名に魅かれた方。エロい話は無いのでここでクローズを。
と、エロを期待して読んだ私が言ってみる。笑


何と言うか「一つの産業が終わったな…」という物悲しさしかそこには無く…
高炉の火が落とされた…閉山した…同じ島で言うなら「軍艦島」の様に一大産業を担っていた場所が消えていく…そんなわびしさしか感じられない。
私は「廃墟の写真集」も好きなんですが、それらって繁栄を極めた場所が打ち捨てられている現在の姿しか分からないのに対してこの本は「徐々に廃墟になっていく行程」が書かれている感じ。

廃墟本 THE RUINS BOOK
廃墟本 THE RUINS BOOK
ミリオン出版/大洋図書
Digital Ebook Purchas

↑こんな豪華な施設であっても打ち捨てられているという現実…


実際には「渡鹿野島」は廃墟・廃島でも何でもないのだけれど「売春」という産業が廃れた今『生きた廃墟』と言っても差し支えないのではないだろうか?
昔はわざわざ船に乗って行くという工程が「お姉ちゃんといい事をする!!」というワクワク感の高揚ムードを盛り上げていた舞台装置があったのに、今じゃネットでぽちっとさくっと援助交際という名の売春がOKな時代。
情緒、があったであろう当時とは違い「はい、時間いくらいくら。挿入して、出して、
はい、さようなら。あ、お金、お金…」みたいな流れ作業で成り立っているのが今。
夢もロマンも時代の波と共に消え去ったのであった…チャンチャン…


補足的に言えば、この本だと「性産業」の衰退と表現すればいいだけの事だけれど、
書かれている衰退の内容がこのコロナでどんどんいろんな分野の産業が廃業・倒産に追い込まれていくと今後の予想がつく位「今の日本の状態」の縮図の様に感じました。