Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

京都西陣シェアハウス 鏑木蓮

京都西陣シェアハウス ~憎まれ天使・有村志穂~
京都西陣シェアハウス ~憎まれ天使・有村志穂~
著者:鏑木 蓮
出版社:講談社
カテゴリー:本

正直読んでいる時苦痛、と言うかイラっと感は最大級!笑
設定として京都の西陣織の機織り工場だったものをリフォームして京町家でのシェアハウスを舞台にしていて、そこの住人の「有村志穂」が就活77社受けて全滅と言う…
この有村志穂こそが物語の元凶にしか思えないような人物なのだが、最終的にはま~~るく納まるというかご都合主義だよな…
そもそも有村志穂には常識が通じない
普段の生活において、大体適当に年を取ればお互いの立場や環境を考慮して「それ以上は踏み込みません」っていうおもいやり、というかある一線って存在するじゃないですか。
それが志穂には全く通じない。
どかどか、づかづかと繊細な部分にまで無遠慮に踏み込み、突き進んでくる。
いわば、小学校2,3年生の様な女。
こんな子供にいわゆる「大人の事情」を察しろ、分かれと言うのが無理なようにまさにその無遠慮さに辟易するのである。
志穂の家庭環境を理解すべく、彼女の生まれ故郷に赴いた男が知ったのは古くから彼女を知る人間には彼女が「いまどき珍しい純粋な女性」と言う評価にあまりの隔たりを感じる。
とはいえ、これを22歳の女性としてみるから違和感があるのであって、小学2,3年生の分別の無いクソガキと思えば確かに「純粋な」人間と言う評価は正しい。


この有村志穂と言う女の性格設定は計算づくのようでp189には
『カーテン、収納ボックス、テーブルなどすべてが淡いピンク色で統一されていた。
目にした食器類は何かしらのアニメキャラクターが描かれている。
高校生か、いや女子中学性の勉強部屋と言っても違和感はないだろう。
とても就活している人間の部屋には見えなかった。
ところが書棚には、心理学や哲学の専門書が並んでいて、想像していたようなコミック本は見当たらない。
この部屋自体が、志穂のどこかアンバランスな性格を反映していると思った。』
まあ、まさに最後の一行が物語ってますね、志穂と言う女が基地外ってことを。
丸く話はいいようにおさめてますが、年齢から言えば十分な「大人」がはっきり言って狂人のたわごとに翻弄されている話。一体これで何が言いたかったのか。気持ち悪い。


読後感の悪かった本編は放置しておいて、こんな箇所が気になった。
P71

まだ駆け出しの営業マンだった頃、白地図を渡され、表札を見て家族構成をメモしたり、現在乗っている車の車種から経済状態を推測して訪問した家にチェックを入れていく。

つまり情報収集の重要性を体で覚えさせれたのだ。

怖え~~よ~~。でも、わかる気がする。賃貸に停めてあるバイクの停め方、ごみの扱い方で住人の生活レベルってモロわかり。すでに住んでいる住人がどんな人間かって大切ですから。


p85


営業マン時代に鞄と靴を見るように先輩に教えられた。

その両方にお金を使う人間は、ワンランク上の車を勧めても成約率が高いってね。



以前よんだグリ×の社長夫人も「服を買いに行くときに、ボロイ靴を履いていく。
そうすればうっとうしい売り子にまとわりつかれなくて済む」とありました。
「足元を見る」ってのは本当に大事なんですね~~~

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