双孔堂の殺人 周木律
冒頭で車の運転をしながら携帯電話をかけています。
普通の人なら良くある話。
いや、あったらダメなんですけど。
法律違反ですから。
が、話が進むと喋っているのは警察官とわかってくる。
しかも警察庁に勤める警視ときたもんだ。
じゃ、ハンズフリーなのか?と思っていると
通話が終わったら
『端末を無造作に折りたたんで、助手席に放り投げると…』
と言う描写。
ありえない…滝汗
とまあ、警察庁と警視庁の区別もついていないかのような
描写によって、話がどんどん進みます。
普通、官僚さんが白手袋を普段から持ち歩いているわけない。
事務屋さんなんですから。
トリック以外の描写で突っ込む点が多すぎるので
退屈しませんが。
犯人はすぐわかりました。
むしろ十和田のうんちくが内容をややこしくする任を帯びているとすら
思うのですが。
この数学のわかりにくいうんちくが無ければもっと単純な話にしかならないので
「余計にわかりにくくするために」
数学者:十和田と言うキャラを当てているんだな、と。
一見、本格派。
実際はハリボテ。
著者注釈の「本作は1999年の出来事である」とありますが
この時代設定において、携帯電話の普及率&電波の調子など
今とは比べ物にならないのに現代のように書かれているのはどうかと。
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