Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ラクして得するフランス人 真面目で損する日本人 吉村葉子

ラクして得するフランス人 まじめで損する日本人
ラクして得するフランス人 まじめで損する日本人
河出書房新社

先に読んだ本の題名の付け方の「二者比較」という点においては似てますが、
内容は全く違う。
というより、内容は全く二国間が「比較」されていない。笑
ただひたすら20年前に過ごしたフランスでの生活を思い出している。
時代もそれなりに変化していると思うんですけどねえ…
ただ、こういった素朴な素顔のフランス人的なものを読むと、
先に読んだ「おフランスさん」の文章が現実とそぐわない気もする。
テーブルマナーを気にするようなフランス人がどれだけ存在するのだろう?
確かに生まれながらに「大人の邪魔をする事の無いように、テーブルマナーは
きちんと家庭で家庭でしつけられている」と言うことらしいけど
先の本を読んだバカなおめでたい日本人が
「テーブルマナーもバッチリ覚えたし、後は☆の付いたレストランで食事を楽しもう!」と行ったところで
「あれ?これ本当に星の付いたレストラン?日本で食べる星なんか全然付いていない
レストランの方が美味しい…」と戸惑うのもわかる気がする。
「おフランス」の幻想に理想を持ちすぎた結果、本場に行ったら超残念感!と言う
ところか。
むしろ20年前の知識とはいえ、こちらの「生活密着型」のエッセイを読んでから
フランスには行った方がカルチャーショックが軽くて済みそうだと思う。


しかし一方でこのような題名を付けるのならば、もう少し「比較文化論」として
通用するような格調高さというかもう少し深みのある内容ならいいのに。
素人さんが書いた「パリでの生活を振り返って…」みたいなブログに毛が生えた
内容で本が出版出来て、印税が入るってエッセイストって美味しい仕事だなあ…
と思ってしまった。