Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ジェノサイド 高野和明

ジェノサイド
ジェノサイド
著者:高野 和明
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2013-12-25
カテゴリー:本


2012年『このミス』国内第一位に輝いた作品、と言うことで読んでみた。
あの~ミステリーって自分の感覚では「まず、誰かが何らかの形でお亡くなりになり、その死因をあれこれ考慮する過程の話。トリックをあばくもの」的に考えてました。
これ、ちっともそんな小さいスケールの話ではなくグローバル過ぎて…
特に前半の理科系と言うかなんというかのあの説明はもうちんぷんかんぷんで、正直「これ、最後まで読むことができるだろうか…」と。
また、話の半分がアメリカ政府と言うこともあり外人さんの名前とか要職が覚えれないというジャパニーズおばちゃんの欠点さらけ出しまくり…滝汗
交わることのないはずの日本の貧弱な薬学大学院生と屈強の傭兵。
「gift」による接点、そして悲惨な戦争描写…
よくもま~たった一冊にこれだけ詰め込んでまた失速せずに終わらせたなあ…すごい!
これを読み終わった後、朝刊の一面を見ていたらどれほど世界に「戦争」をしている国の多いことか。
先日の「イスラム国」による日本人2人の殺害、そして生きたまま焼き殺されたと言いうパイロット。
あの悲惨、無残、な出来事が少数ではなく、日常当たり前のように行われている事実。
そんな事実はきれいに情報操作されているかの如くに知らずに平和に生きている日本人。
「情報はすべて盗撮、盗聴されている」としたら、こうやってブログを書いていることも何もかも傍聴されているかと思うと…
目に見えない力に支配されていることを感じることなく日々生きていることは本当に幸せかと。


一方、日本人って明らかな宗教を持たない。「あ、仏教なの。ふ~ん」「え~イスラム。珍しいね」
そんな風に人の宗教観にあれこれ立ち入らないし興味も持たない。
だから「自分の信じる神が一番!」って意識も持たない人種なのかも。
その反面「唯一の神」がいないからこそ「神をも恐れぬ行為」が平気で出来てしまう人種なのかもしれない。(その例としてミック)
傭兵として散々人を殺してきたイエーガーですら、少年兵を殺すことや至近距離で人を殺すことにためらいがあったのに。
一番凶暴なのはやっぱり日本人かもしれない。


p407

「もっと言えば私は人間と言う生物が嫌いなんだ」

「なぜです」

「すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量殺戮(ジェノサイド)を行う唯一の動物だからだ。それがヒトと言う生き物の定義だよ。人間性とは、残虐性なのさ。かつて地球上にいた別種の人類、原人やネアンデルタール人も、現生人類によって滅ぼされたと私は見ている」

「我々だけが生き残ったのは、知性ではなく、残虐性が勝ったからだと?」

「そうだ。脳の容積はわれわれよりもネアンデルタール人の方が大きかった。

確実に言えるのは、現生人類は他の人類との共存を望まなかったということだ。




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