Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

九月が永遠に続けば 沼田まほかる

九月が永遠に続けば
九月が永遠に続けば
著者:沼田 まほかる
出版社:新潮社
カテゴリー:本

2012年『このミス』に「イヤミス」作家として紹介されていた一人。
後味の悪いミステリー、嫌な気分になるミステリーと言う意味だそうで。
最近の宮部みゆきだってそのジャンルに属しそうですが。
こちらは「ホラーサスペンス」大賞受賞。嫌な気分=ホラーって感じでしょうか?
夫に一方的に離婚された妻が一人息子の突然の失踪を発端に、必至で捜しつつ元夫そして夫が再婚した女と複雑に絡み合っていく話。
なんかよくわからないけど「ファムファタル」(男を虜にして破滅させる女)的な女性の存在を理解できるかどうかでこの話に現実味を帯びるか意味わかんね~に分かれるかのキーポイント。
女側からしたらこんな魔性の女に出会いたくないですけどね。
「毒婦」として世間を騒がせている(大体男を毒殺してますよね。しかも容姿は下のランクなのに…)
人間がいるのも事実。
ただ、本編の毒婦は本人にその気がなく、ただひたすら男どもが蜘蛛にかかる蝶のごとくからめ捕られていきます。彼女にはそれこそどうしてこうも悲惨な運命しかないんでしょう?と顔をしかめたくなるような過去の連続で。(もしかしてお兄さんとも関係を強要されたかも知れまねんね。明らかな記述は避けてましたが。そうでないとお兄さんの態度はちょっと不自然)


まあ、精神科医が患者に手を出す、この設定がどうしても理解できませんでした。
悲惨な過去を持つ女を妊娠させますか??そこが男の弱い部分、と言われたら女の身ではこの小説をやっぱり理解するのは難しいです。その一方でこの「白い女」に関わりを持ちたくないのに見てみたい気もします。そんな人間の二面性をあぶりだす一冊。

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