Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

犬部! 片野ゆか

犬部!
犬部!
ポプラ社

名著『動物のお医者さん』をイメージすると痛い目に遭う。
『動物…』は獣医を目指す若者&変わった先生と言うキャラに非常に癖がある
「読み物」なのに対してこちらは獣医を目指す学生までは同じなのに
「動物愛護」と言うテーマが絡んだ為に重苦しい。
理想と現実のはざまで苦労する学生たちの姿が浮かび上がる。
「獣医を目指しているんだから…」
「獣医を育成する大学なんだから(その学生なんだから)」
と言った世間(大人)の自分勝手な言い分に押し切られ
「動物が好き!」「助けたい」といった純粋な気持ちを
良いように利用されているとしか思えない。


しかも治療に充てる費用は自腹。
多分世間一般では「大学の病院で見てもらえるんだから
ただに決まっている」と言った思い込みでどんどん動物を持ち込み
「渡せばどうにかしてくれる」とどこまでも他力本願。
自分の手で殺傷処分にするのはいや!だから大学の側に捨てたら
学生がどうにかしてくれるかも…そんな気持ちでどんどん持ち込み、
後は知らん顔。


また、ペットが逃げ出したのにそれを探すすべを知らない飼い主の
多い事と言ったら…呆
最低、警察&保健所&近所の獣医そして動物を扱っている店があれば
問い合わせの一つでもすればいいものを…


読んでいて思うのはどれだけ学生がそれこそ勉強時間やあらゆるものを
犠牲にして救って世話をしても
「飼い主の心構えが低すぎる人間(大人)が多すぎる」と言うこと。
「最後まで面倒を見る」と言う強い意志と時間そしてお金。
これらが無い人間がペットを飼うな!!!!怒
あ、愛情もだ。


華やかなペット産業の陰に捨てられ、ツライ思いをしている動物が
多数いることをもっと知るべきである。