Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ナショナルジオグラフィック 1998年4月号

さすがの「アマゾ×」でも古すぎて在庫が無かった。
参考までにこんな表紙。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/bn/199804.shtml


特集は「危うし草原のプレーリードッグ」
今でこそ日本ではプレはもう希少価値過ぎて飼えないペットの一つ。
ホームセンターに普通に売っていたのがウソのよう。
そんなプレたちが国内に輸入される前、本国のアメリカではこんな風に
虐待どころか惨殺されていました


p146

果てしなく広がる、米国コロラド州東部の草原地帯。

早朝から照りつける日差しの下でプレーリードックが銃弾に当たって

左へ右へ、次々はじけ飛ぶ。

数百メートル先で銃を構えているのは、ケン・ホームズだ。

25倍の照準器越しにじっと狙いを定め、引き金を引く。

一瞬ののち、400m先のプレーリードッグの下半身が

散弾で粉々に吹き飛んだ。



見出しには白黒写真ながらもプレの累々と重なった死体の山が写っている。
『アリゾナ州で1900年代初め、大量に毒殺されたプレーリードッグだそうだ。
既に生息地の98%から姿をけし、保護を求める声も高まっている。』


これ、白人がインディアンを追い出したり、先住者を征服者が追い出した形と
同じ。
元々住んでいた動物を「牧草を食い荒らすから」と虐殺して、
自分たちの為の土地として利用している。
プレとバイソンは共存しているというのは今では学者が唱えているから
なんとなく浸透しているけれど、1998年の段階では銃で虐殺されるのが
当たり前だった模様。
殺すぐらいならこっちにくれ!と言うのがプレ飼いの叫びだが、
2003年ぐらいのペスト媒介説と言う冤罪&陰謀と共に国外のプレが
輸入されなくなった。
こんなかわいい、生き物を平然と銃で撃ち殺すその神経がもうすでに終わっている。
当たり前のように生活していた場を追いやられ、種としても存続の危機にさらされている。
これも人間の身勝手さから生じたこと。
飼い犬をあっさり放り出すように、野生動物が元々住んでいた場すらも
奪う人間と言う生き物。
もし自分たちが同じ目に遭ったら…なんて考えもしないのだろうなあ…


今いる国内産のプレって、こういった虐殺から生き延びた「サバイバー」を
ご先祖様に持つ幸運な一族の末裔なのかも…
もっとプレたちが日本の先住動物を駆逐する勢いで増えていたら良かったのに…
とか思ってしまう。
「ラスカル」ことアライグマがアニメの影響でペットになったものの
凶暴過ぎて野に放され今では「害獣」になってしまったが
庭にプレが穴を掘っていたら可愛いと思うんだけどなあ…
まあ、日本古来の動物の事を考えたら無理なんですけど。
ブルーギルやその他外来種が今では「厄介者」扱いされているのを思うと
プレも増えなかったからこそ今でも大事にペットとしての地位を保てているのかも
知れないが。