響け!ユーフォニアム2 武田綾乃
- 【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏 (宝島社文庫)
- 宝島社
- 2015-03-05
- 本
京都大会から関西大会へ…
徐々にステップアップして行く吹部と並行して「女の友情」が
裏テーマになっているように思う。
これ、アニメで先に知った作品ですがアニメはまんべんなくそれこそ
男子受けするキャラ造形なのに対して原作は「女子向け」だと思う。
そう、高校生の人格形成にもっとも重要な時期における心理的な葛藤。
ある女子の場合「幼馴染」と言う隠れ蓑によって本心が伝わらず、
また伝えることができない。
また別の女子は「友情以上恋愛未満」と言うぎりぎりの感情を相手に
持っているかのような描写があります。
いつも一緒に居ることが当たり前で何の疑いも無かったあの頃…
そしてその「距離感」が変わって行くことを、
多分大学生の頃にはわかっていた作者。(すごい、早熟。大変ねえ…)
p119
怖いと思った。今この瞬間が、過去になってしまうことが。
(中略)
こんなに大好きな友達ともいつかは離れ離れになってしまって、
ほとんど会わなくなってしまうのだろうか。
特に理由なんてものは無く、ただ当たり前みたいな顔をして、
友達から知り合いへと移り変わってしまうのだろうか。
それが大人になるということなのか。
久美子は知っている。友情は永遠ではないことを。
中学時代に毎日顔を合わせていた友達も、すぐに疎遠になってしまった。
いまというこの瞬間を容器に詰め込んで、冷凍保存できればいいのに。
そうすれば、こんな風に怖がることなんてなくなるのに。
女の友情なんて幻もしくは奇蹟かもしれない…
特に大人になればお互いが「同列、同レベル」なら問題は生じないけれど
明らかな「差」が付いたときに、一気のその関係は崩れる。
相手が自分より「下」もしくは「劣っている」と感じる時だけ
一方的な「友情」が存在するのかもしれない。
もしくはいまだに一人でいるのが嫌で不安で、
誰かとつるんで仲のいい振りをして「独りじゃない」
と思い込みたいのかもしれない。
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