Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

書店員が本当に売りたかった本

書店員が本当に売りたかった本
書店員が本当に売りたかった本
飛鳥新社

2012年3月31日に閉店したジュンク堂新宿店。
別に売り上げ不振でもなんでもなく、入っていたビルが閉館するから
それに伴っての閉店だったらしい。
と言うことで閉店2カ月前に文字通り「祭り」をやったその記録。
p68
『新宿店は普段の知識では太刀打ちできないようなバリエーションの
お客様の問い合わせがあり、勉強にならない日は一日も無かった。
毎日誰かと議論し誰かに本や人を教えてもらい、多くの人が集まっていた。』


本屋さんは送られてきた本をただ棚に並べるだけでなく、売れるように
POPを付けたりまた売れるようにフェアを開催したり…
地道な影の努力を要する商売らしい。
残念ながらそう言った努力をせずに「ただ売っている」だけの本屋が廃業
するのは当然の結果だとこれを読んで思った。


とにかく「熱い!」のである。
本に対する姿勢が。
掲載されているPOPに目を通すと世の中自分が読んでいない本がこれほどまでにもあるのか…と打ちのめされその一方でこうやってPOPを付けるからには書店員は
一回はこの本に目を通しているのか…と気が遠くなる。
そして多分棚さししている限りは「売れない」存在の本を「良いです!買って!」と
推薦した結果、最終日にガランガランになった本棚と、レジに並ぶ長蛇の列と言う
「結果」を出したんだろうなあ…
この最終日の長だの列の写真。
見ているだけで涙出ましたよ。
ただの写真。本当にただのスナップ写真なのにスタッフの「情熱」と
買い手の「本に対する愛情と店に対する感謝と無念さ」が現れているように感じた。


燃えつきた感のある閉店時のスナップは色々な人に感動を与えたんだろうなあ…