Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

あの靴、ほしい! パオラ・ヤコッビ

あの靴、ほしい!
あの靴、ほしい!
河出書房新社


「日本人が書いたファッションの本はしばらくいいか…」と
思っていた矢先にこの本を借りていたので偶然とはいえ
先に書いたブログの終わりが靴についてだったので丁度いい。



さて本書。
靴の歴史からその靴にまつわるエピソードが書かれたエッセイなのですが
残念ながら該当する靴の写真が全く無く、また古い女優さんの名前が
挙げられてもイマイチピンとこず残念の極み!
そして、訳以前に原文もこのような雰囲気なのかわかりませんが
なんとなくイメージしていた
「この靴のフォルムに頬ずりしたい!!」とか
「そのヒールで踏んでもらえたら最高!!」みたいな
強烈な「愛」をアピールするものではなく淡々としていて退屈でした。


ただ、靴に対する女の気持ちは世界共通なのか
(靴に興味ない女の人ってやっぱり気の毒…)


靴には不思議なパワーがある。

ゴージャス、セクシー、優雅、スポーティー。

一瞬にしてそれぞれの気分になれる。

まだ道を踏みしめていない靴底(ソール)に触れても、

たとえ汗にまみれようとも、靴は芸術品であり、

少なくとも気高い工芸品なのだ。

ジュエリーと大して変わるところはない。

違うのは「女性の最高のお友達」であるダイアモンドより安いと言うこと。

そう、靴は私たちの最高のお友達なのだ。



マノロの靴、そして靴その物への女性たちの憑りつかれたような思い入れについてマノロ自身は語る。

「女性には変身願望があって、靴はそのための一番手っ取り早い簡単な手段。

ジュエリーやオートクチュールの洋服よりは安いしね。」



ドイツの女優で歌手でもあるマレーネ・ディートリッヒは

靴の通(つう)で愛好家だった。

彼女によると

「靴は服やスーツよりもはるかに大切な物。

装い全体にエレガンスを与えるのは靴なのよ。

結局は気に入らない粗末な靴を三足買うよりは、

上質な靴を一足だけ買うのをお勧めするわ

マレーネ姐さんのお達しの通り、安い靴は買わないようにします!!!


ところで一番セクシーでエロチックなのは「生足」ですよねえ…

セルジオ・ロッシはベッドルームの入り口で脱ぐためにはく、

エロティックな靴なのである。