Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

シャネル 藤本ひとみ

シャネル (講談社文庫)
シャネル (講談社文庫)
講談社
2015-10-30
Kindle本

一応バブル世代なのでブランド品を海外で簡単に買えるような環境でした。
大半の同世代がルイヴィト×のバックを持っている時代でしたから。
それぐらい「ブランド品」とは身近な物でした。
が、その中でもやっぱりシャネルは別格と言うよりイメージ的に
「ある一定の年齢が行った女性が着る服」扱いだったような。
つまり「小娘にはまだ早い!!!!」と一線を引いた存在でした。
しかし、時は流れいつしか自分も「シャネル」を着ることのできる
年齢にはなったと思います。
しかし、やっぱりあの店に入る勇気はございません!!
百貨店の店先で客に「にらみ」を利かせている店員の相手をする、
体力が私には無いなあ…
あの段階で「この店に入って来れるものなら、入ってきな!!」みたいな?
同世代の友人に「シャネルの店に入ったことが無い」と言ったら
「え~私、たまに入るよ」
「え!!!!無理~~入るには勇気がいるわ~~~」
「今時案外成金が小汚い服で平気で店に入っていって買うから
それに紛れて…」と言ってました。
その発言もある意味私には「…」でしたけどね。


林真理子さんもこの店に行って試着させてもらって、
あまりの着心地の良さにうっとりした…と書いてありました。
それでもお金持ちの彼女ですらやっぱり気おくれするのだそうで。


そんな風に「着る人」を店が選ぶ雰囲気のあるシャネル。
この本を読むとガブリエル(=ココと言うのは愛称)が
「世間を屈服させるために命がけで作ったモード」ゆえに
身売りするかのような値下げはしない、
良さがわかる人だけ着たらいい、ブランドのセンスがわかる人だけが買えばいい
とどこまでも高飛車な雰囲気で挑戦的な戦略を見せるのは
この創設者のプライドと意思をいつまでも保持し続けている結果なのだろうか?
そのプライドは幼少期時代の気の強さの描写がホントうんざりするぐらいこの
人の気性の荒さを示していて嫌だった。
まあ、藤本ひとみがシャネルと言う人物を語録から組み立てたら
こんな人が出来ましたよ、と言うフィクションなのはわかるけど
ちょっとなあ…


とはいえ、もしかしてこれは藤本さんの創作かもしれませんが
p320

「女性が本当に女性になって、服と言うものがわかってくるのは

40代からなの。

私は、そういう女たちの為に服を作っているのよ。」



シャネルの時代の40代であれば、今の時代なら50代ぐらい?
そろそろシャネルの求める精神が宿った服が着ることのできる
熟成した女性になれてますかね??