Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

日本中枢の崩壊 古賀茂明


↑この本で今回の本が紹介されていたので読んでみた


日本中枢の崩壊
日本中枢の崩壊
講談社
Digital Ebook Purchas

2011年発行
この本が書かれたときの著者の肩書は「経済産業省 大臣官房付」と言う現役の官僚だった
現役だからこそ知りえた「日本の政治の裏側」を「告発」したから「官房付」と言う「閑職」に追いやられ「冷や飯」を食う羽目に


さて国会議員が何かやらかすと「我々国民が選んだせいだ!」と選んだ側が悪い言い方に
なってしまいますが、本書を読めば「政治は国会議員がやっているのではなく官僚がやっている」のが痛いほどわかります (/ω\)
国会議員とは名ばかり形ばかりでただの傀儡」と言うのがよく分かった
特に当時政権交代した「民主党」がいかに「素人集団」だったのか直接文章にしてはいないものの「忸怩たる思い」がにじみ出まくっている! \(^o^)/
あの物入りの「仕分け作業」もただのパフォーマンスでむしろ中途半端すぎて官僚のいいようにされてしまったという最悪の結果に!!!!
よっていくら国民が皆誘い合って「選挙」に行って万が一自民党ではない政党が与党になったとしても結局は官僚のいいようにされるのは明白!!
実際、官僚出身だった民主党の政治家ですら自分たちの専門外の事は全くの素人で
簡単に「丸め込まれて」しまったという…
あと、ちょっと本腰を入れて法改正等をしようとしてもなぜかそういう時に限って
短命政権となり大臣が変わってしまいうやむやに (/ω\)
その結果と言うか正直長年「なぜ?」と疑問だった「野田首相の時に最後の最後に消費税増税(=公約に一切なかった)」で幕を閉じたのは「あ、そういう事だったのね」と納得した次第
猫に鈴をつける役をしっかり押し付けられて「無能・無策」の烙印だけ押されたわけです


著者が一番に力を入れた改革は「公務員制度改革」
なぜこれを推進したかと言えば同期がトップに立てば他の動機は退職せざるを得ないという
摩訶不思議な官僚の制度のせい
つまり60歳にならなくても退職せざるを得ないから「受け皿」が必要
となると必要でもない「公益法人」をやたらめったに大量に作り出し、給料を払う仕組みを
どんどん作っていかねばならない
さらには「渡り」と言う一つ辞めては退職金をもらい再就職してはまたもや退職金をもらうというとんでもないこともやっている(民間にも就職するのはお互いの利益共用)
結果
国民の税金をどんどん投入して公益法人を作り、給料を支払う仕組み=税金の無駄使い
しまくり!!!!!!それが当然!と思っている官僚たち!
そうなるともはや出世レースから脱落したらあとは保身しかない!!!
またトップに立つ人ほど「省利省益最優先」を心がけた人がなる!と言う恐ろしさ!
もうどこにも「国民のために!!!」と言う意識で仕事しなさ過ぎて笑う!\(^o^)/
やる気のある若手も干されてはやる気を当然失うのでことなかれ主義に走るか、もしくは
まだ良心が残っていればさっさと辞めて独立してしまうのかもしれない
いい人ほど辞めちゃってあとは自分の事しか考えない「カス官僚」しか残っていないから、この本が書かれて10年も経った現在、今の日本の悲惨さを物語っているのでしょう


p133

福島原発でも実は津波に備えて、非常用のディーゼル発電機を原子炉建屋内に置くべきと言う問題意識はあったようだ。しかし、これを実行すれば、先輩は安全を十分に配慮していなかったことになる。そのため、電子力安全・保安院の官僚はもとより、官僚よりも官僚的と言われる東電マンは、何の対策も打たなかったのだ。

もしこの掟を破れば(霞が関)村から追放されるか、もしくは村八分の憂き目に遭うか。

それがわかっている官僚は、村のオキテから逸脱しないよう、細心の注意を払う。

これは官僚個人の資質は別の問題である。現在の官僚機構のシステムでは「霞が関村」の掟に逆らうと生き残れない仕組みになっているのだ。



p222

財務省の行動原理は、二つに分けられる。

一つは財政破綻は絶対に避けたいという思い。

もう一つは、自分たちの支配装置である予算の配分権をなるべく強化したいという願いだ。

この二つを実現するための消費税増税なのだが、後者の予算の配分権の強化は、自分たちの裁量で配分できる自由な財源の拡大と言う表現に置き換えることができる。

年々増えていく年金の支払いや医療費などの社会保障費、消費税税増税分の増加分で相殺されたのでは、財務省にとって増税した意味がなくなる。(中略)

どうしても出さなければならない社会保障費以上にお金が入ってくれば、自由裁量の財源は増えるので、とにかく増税率を少しでも上げたい。

これが財務省の目下の最大関心事だ。

p301

財政破綻をするのではだめだ、何とか回避する方法は無いか。

こう考えてさらに知恵を絞っても

政府には増税で何とかしようという知恵しかない

バリバリの増税論者である与謝野馨氏が、自民党政権でも民主党政権でも経済財政政策担当大臣を務めたことが、それを証明している。

増税で国民から金を集めって増大する社会保障に充てる。

そのうえでさらに借金を減らそうと思えば、消費税は30パーセントになり、経済は縮小しながら国民は肩を寄せ合って耐えていく________こういう将来しか見えない。

↑この予想が当たらないことを心から願います!!!!!!!