Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

こいしり 畠中恵

こいしり (文春文庫)
こいしり (文春文庫)
文藝春秋
2011-11-10

めでたく祝言を挙げたもの、のらりくらりの性格は相変わらず。
更には嫁と幼馴染でもあり悪友の義母になったかつての思い人への
気持ちが他人に、特に嫁に悟られているかのような出来事が…
しかも最終話でいきなり嫁から「三行半を頂きたい」と言いだされる始末。
事の発端は差出人も受取人の名前もはっきりわからない「恋文」なのに、
この手紙は主人公がかつての思い人に書いたものだとして届けられた
事に嫁のプライドが傷ついて。←わかる、わかる!
主人公としては「身の潔白」を証明するために嫁を伴って真実の解明に乗り出す。
ここで主人公のとった行動=嫁を同伴しての行動。
文中でも書かれていますが、もし嫁を伴わずに真実を探り当てて語ったところで
「自分の都合のいい事を言っているだけでしょ!怒」と信じてもらえない。←まさにこの通り!!!!!!
解明中に主人公が話しにくいから「横に並んで歩いて」と言っても時代が時代ゆえに嫁は夫の後ろからついて歩くのが一般的。
しかし、真実がはっきりした最後の最後にふたりは横に並んで手をつないで歩いているのだった…終


とまあ、一冊を通じて新婚のぎくしゃくした関係から
「一緒に歩いて行こう…」的なハッピーエンド。
特に自分では隠しているつもりの嫁以外の人への気持ちが
しっかりダダ漏れしているのは何とも。
悪友にまで「お前さん、今度の件でもしおっかさんとお寿々さん
がトコトンいがみ合ったら、お前さんどっちの肩を持ったんだ?」と
問われる部分は嫁の立場としてもぜひ聞きたいところ。笑


さて、次巻は何やらとんでもない話になると「解説」では
書かれているのでドキドキだあああ~~~~~