Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

さくら聖・咲く 畠中恵

さくら聖・咲く
さくら聖・咲く
実業之日本社

先に読んだ『アコギなのかリッパなのか』の続編。
一言で言えばこれがメディアワ×クスから出ている「ラノベ」
であれば「面白かった」と高評価に繋がるのですが、
今回の出版社「実業之日本社」ですよ?
イメージ、お堅い実業書系の会社じゃないんですか???
それが、このなんというか…実経験の伴わないまさに頭の中で作った、
かつコピペで「ま、こんなもん?」って感じのペラペラ感…


致命傷なのが内容に突っ込みどころ多すぎ!
今は引退しているとはいえ「大物」と言われたボスがいて、
かつ現役(の国会議員レベル)がいまだに集う事務所が舞台であるにもかかわらず
一介の大学生のバイト事務員にここまで全面依存してどうする!
また、自分が「政治と言ういかがわしいものと縁を切って、まっとうな地味な
福利厚生のしっかりした会社に入ってサラリーマン生活を謳歌したい!」と
言って受けた「バイト」の面接が「実質は採用を見越した面接」の場であるにも
関わらず、いくら面接が事実上終了していたとはいえその場で携帯に出る?
自分の今後がかかっているんですよ?
今いる場所が嫌だからコネも縁故も無い会社を自力で受けているんでしょ?


もう考え方が古いのかもしれないけど、自分の時は携帯が無かったとはいえ
「その企業が入っているビルに一歩入ったその時から、戦場!」とか
もしくはその目指すビルがある駅に降り立ったその瞬間から「戦闘モード」
だったんですけど…私…(というか、別人モード)
もっと言えば性格の悪い私が試験をする側なら「エレベーターガール」ならぬ
「乗り合わせたおばさん」の体を装って受験者がどんな態度を取るかそこで
思いっきりチェック=面接の場にしちゃいますが。(鬼)
例えば「開」のボタンを押してもらっているにも関わらず無言で降りたら
「他者に対する気配りなし!」=「不合格!」
もしくは集団で面接が終わった後エレベーター内で「ここ、楽勝だったな~」とか
雑談を平気で周りを気にせず言うようであれば
「企業秘密を平然と漏らす可能性大」=「不合格」とかね。笑
てなわけで個人的には携帯を開くのであれば、ビルを出てからにした方がいいと思うんですけど、考え方が古すぎ?????????(もしくはトイレの個室に入ってからとか)


あと、この作家さん。ラノベ臭が漂いすぎる要素の一つとして
時代物でもそうでしたがどの話にも「眉尻を下げる」「半眼」と言う表現を
使っている。
表現が単純すぎて、大人向きじゃないというかこの話全体が
ラノベ読者の大半である中高生対象ならいいのだけれどあまりにも手ごたえがない
文章過ぎる。(読んでいて退屈してくる)
上部に自分が読んだ本かどうか思いだすために読んだ(借りた)本を忠実に貼っているけど、正当な評価は文庫のこちらだと思う。

さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)
さくら聖・咲く: 佐倉聖の事件簿 (新潮文庫)
新潮社
2016-06-26


ソフトカバーのレビュー評価=4.7
文庫本のレビュー評価=2.7←出版社が新潮社に変わっているなあ…


しつこいけどラノベ専門出版社から出せばよかったのにねえ…
読者もこれほどがっかり感を感じなくて済んだのに…
一般小説とラノベの境が本当に無くなりましたねえ…