Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-25

何かの映画を見に行った時に本作を原作とした映画の予告が流れ
ほんの短い予告なのにそれだけで「やべ!涙でそう…」と感じた。
で、予約して半年以上。
やっと届いた一冊は数時間で読めるという代物だった。


すまん。
ある程度本の量を読みこなしているオバハンに取っては
「先の展開が読め過ぎ、要はあらすじ」にしか感じられなかった。
浅い、あまりにも浅過ぎ
確かに「仕事辛すぎたら逃げるのも手だよ」と言うことを若い世代に
教える分には「功績」かもしれないけどこれを「小説」として
読むにしたらあまりの「ぺらぺらさ、絵空事」過ぎて。
特にラスト、その資格は民間資格ですか?と突っ込みそうになるほど。
まあ、感動して高評価を付けている作品に噛みつくのは大人げないので
これぐらいにしますが子供が書いた作品に大人が手を加えてそれも
今までの「経験」をふんだんに盛り込んだ感動する調味料
たくさん振りかけて「映画、ドラマ」が作られるんだなあ…
と思った次第。
中高大生&社会人になったばかりの人向け。


とはいうものの、うちの長男もこの主人公と似たり寄ったりの生活を
しているんだろうな、と思う。
鬱に入っている時にこれを読んで「ああそうか、自分だけじゃないんだ」と
救いを見つければいいだろうけど、本当に仕事に忙殺されている場合
本を読むその時間すらも無い。
結果「まつりさん」に続く人が密かに大量生産されているのだろう。
「まつりさん」はある種「目を引く」には最適なモデルだったと思う。
今まで過労死(もしくは鬱で自死)した人が何人もいたのに、
ここまでメスが入ることはなかった。
それは「取るに足らない人」認定されて「死んだのは弱い奴」
と言う烙印と共に葬られ続けてきたからではないだろうか?
まあ、実際社会は「弱肉強食」の世界ですからね。
ただ、仕事には色々な職種があってその成果の出し方も千差万別。
よって、スロースターターの人もいればスタートダッシュの人もいる。
それを「法律」で縛って各自のやり方に支障が出るようになっては
本末転倒ではないだろうか?
業種によっては相手先が「夜からの方が都合がいいよ」と言う場合も
あるだろうし「午前中に来て」の会社と「夜から…」が同日にあるだろうし。
そういうこと全く考えずに「9時から5時」みたいな昔の良き時代の
残骸みたいな会社ばかりじゃないってこと考えないのかな?



こんな風に「もう昔のやり方では通用しない」ってことがゴロゴロしているのに
中々改善されないのは一体どうすればいいんでしょうね?