逢魔 唯川恵
- 逢魔
- 新潮社
- 本
自分にとっての唯川さんは「OL物」であり「働く女VS専業主婦」
「独身VS結婚」と言った女の一大決心物だった気がする。
当時二者択一で今の様に選択肢が果てしなくあったわけではなく
「さあ、どちらを選ぶ?」と決断を迫られていて
「焦り」しかなかったような気がする。
裏返すと「if」でしかなく、もしあの時こちらを選んでいたら彼女は私、
私が彼女だったのかもしれない…と痛みさえ伴って読んでいた気がする。
そんな彼女の作風はいつの間にか「男女」に重点が置かれ
本作では男女の愛憎に焦点が充てられている。
古典、怪談と言ったものをベースに本当にエロスが漂う短編集。
最後の「六条御息所」をベースにした話は想いが狂気となるのは
今の時代も変わらずで「業の深さ」を感じる。
そしてどこまでも「悲しい」…
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