Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

水族館ガール2 木宮条太郎

水族館ガール2 (実業之日本社文庫)
水族館ガール2 (実業之日本社文庫)
実業之日本社

遠距離恋愛の相手はイルカ!? 水族館の裏側は今日も大騒ぎ!

水族館・アクアパークの飼育員の先輩と後輩という立場から恋人の関係になった由香と梶。

しかし、梶は関西の老舗水族館へ出向。

離ればなれの職場でそれぞれが失敗を繰り返す日々。

そしてある日、傷を負った野生イルカが海岸に漂着したとの知らせが…



飼育員になって1年。となると次なるパターンは「後輩」の登場。
そして遠距離恋愛につきものの「べつの異性の登場」…と
まあ、ベタな少女マンガモードで恋愛モードは相変わらず進行中。
一方、お仕事小説としては「地方における水族館の存続・閉館」とか
都会であっても経営母体の変更における経営の変化…など
まあぶっちゃけ「金」が絡んで水族館の存続が脅かされるのは
読んでいて非常に辛い部分でした。
博物館としての位置づけにある水族館をいかにリピーターを呼び込むか…
飽きさせず、常にワクワク感を持ってきてもらうには…
そんな施設側の試行錯誤の一つとしてイルカライブを取り上げているものの、
根底には「野生動物」をいかに自然の姿で見てもらえるか。
TVで見る動物が同じ動作をするのではなく、本来の姿でより身近に
感じてもらうために…
仲間意識の強いイルカをこんな風に閉じ込めていいのか…など
目をそらしがちな「飼育動物」の在りかたも考えさせられました。



因みに動物園の獣医さん&飼育員は
「飼育動物に対して絶対に背中を見せない
なぜなら、彼らは愛玩動物とは違うから」と
肝に銘じていると読んだことがあります。
悲しいけれどそれが現実。
どういう形であれ、各動物が少しでも自然の状態で展示され少しでもストレスを
軽減してもらった上で長寿をまっとうしてほしいものです。
(動物園で狭い檻の中で狼系がうろうろと左右に動いているのを見るのは
本当に辛いし、申し訳ないと思います。
せめてもっと広い場所で飼育できないものかと…)


ところで水族館の影の功績者と言えば「巨大水槽」。
日本では知名度がそれほど高くない会社が世界で頑張っているんだ…
とある種感動しました。



物作り日本!の名誉にかけて頑張ってください!!!