Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

水族館ガール3 木宮条太郎

水族館ガール3 (実業之日本社文庫)
水族館ガール3 (実業之日本社文庫)
実業之日本社

水族館に3年目にもなると1~2巻でやった「イルカライブのどじっこお姉さん」
ネタは通じずむしろ「経営母体の変化」に振り回される話に。
作者が元々『金融機関勤務を経て…』と紹介されているのを鑑みて
最終的には自分の得意分野に話を持って行くしかないのかな?


とはいうものの、一般に知られていない「ウミガメ」「ラッコ」「マンボウ」
といった姿形はすぐに想像できるいわゆる「なじみの深い生き物」なのに
本文に書かれている特性を知ればいかに「上っ面」だけを見て判断している
のかを思い知らされる。


主人公が来館者に向かってスピーチするp335~

「お伝えしたいんです。『かわいい生き物』の『可愛くない部分』も。

全部ひっくるめて、全てが水族の魅力。そう思っています。

でもそれって決して特殊なことじゃなくて、その、原点に戻ること

だと思っています。原点に戻ってこそ、歩きだせるんじゃないかなって。

私はまだひよっ子なので、今後アクアパークがどんな水族館に変わっていくか、正直、よくわかりません。

いろんな課題を抱えつつ、マンボウの様にマイペースなのかも。

もしかすると、イルカのように思いっきりジャンプするかも。

でも、どんなことになっても、アクアパークは皆さんにとっての

『マイ・アクアリウム』でありたいと思っています。

アクアパークは『みんなの水族館』なんです。」



市町村が経営(?)している施設って財政難になると初っ端に切られ、
売り飛ばされるか捨てられるかの筆頭項目だと思います。
「採算が取れない」
けれど、それって「思いつき」「ブーム」で職員がやり始めたことでは?
民間であれば「どれぐらい採算が取れる?」「長期的展望は?」といった
事がまずありきで話が進むのにその点は「どんぶり」なお役所仕事で
「なあなあ」でやるから先細りするのでは?
今とりあえず(市長の)人気が取れたらいい!みたいな。
経営と言ったものに「ど素人」な役人に任せるより民間および各プロ
(水族館なら飼育員or学者or獣医)の意見も聞けばいいのに…と。
あと、こういった娯楽とも言えずかといって学術オンリーではない、
ぶっちゃけ中途半端な施設な場合「遊び」が無い事には…
そもそも役所に入る人って「真面目で、勉強一筋」な人と言うか
採用側が「大学名」で採っている気がしてならない。
勉強ばかりして遊んだことの無い人に「遊び」の企画ができますか?
(飲み会の幹事をさせたら「その人」が一発でわかりますよね?)
ならいっそ、無名大学であっても一年間海外に居て
「あ、その国って電車が定刻に来る方が稀なんですよ。だからその時の
時間の潰し方が…」などさっと「AがだめならBがある」的な発想ができる
人の方が「強い」と思います。
そんな風に大学に入ってから様々な体験をしてこそ会社に入った時に
経験がものを言うのに、大学1年で会社が決まってしまう…なんて制度(?)
ありえないと思うのですが。
自分の会社がどんどん「面白みのない、大学名だけは一流ぞろい」になって
将来自分の頭で考えることのできない集団ぞろいになるとか思わないんでしょうか?
ふと、そんなことを考えた一冊。


って、モデルになっている須磨水族園を検索したら…

ほぼ、事実を小説化したかのよう…汗