天山の巫女ソニン4 菅野雪虫
- 天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺 (講談社文庫)
- 講談社
- 2015-03-13
- 本
未曾有の大嵐に見舞われ深刻な被害を受けた“江南”。折しもクワン王子に請われて隣国を訪れていたソニンは、国民の困窮する姿を見て心を痛める。“巨山”はすかさず食料の援助を申し出るも、侵略の布石ともとれる話に警戒するクワン。そんな中、“江南”に向かう“沙維”のイウォル王子が乗る馬に魔の手が迫る。
4巻目にして初めて自国王子&他国王子&他国王女が3人揃って
顔を合わせます。
まあ、頭の中お花畑系が多い日本人なら「王子と王女が出会うと…」と
即ラブラブハッピー物語を頭に浮かべがちですがなんのなんの…
他国王子=虎 他国王女=狼 として例えられます。笑
まあ自国王子はさしずめ「鳴かない犬」ぐらいでしょうか?
王子は「喋れない」と言う特性があり、ソニンが手を握って初めて
彼の声がソニンだけに聞こえるのですが、今ふと思ったのは
自国王子がもし「獅子」なら3人が集まると常にヤバイ緊張状態が続くのに
喋れない犬がいるだけで中和されるというかそこまでひどく揉めないのでは?
もっと言えば「言いたくても自分の意見を発することができない」状態って
「日本」そのものでは?と。深読み過ぎ??
また本書「予言書?」と思うような記述が。
他国王子の国が「大嵐」での被害描写ですが
「大波で一つの村が丸ごと消えたという地域もあります」
「ハン河流域の都市部で、半数以上の家々が倒れ、九割が水浸しです」
「わかっているだけで数十か所の堤防や堤が決壊しました。
田畑の被害は想像もつきません」
この本は2008年出版なので「東日本大震災」前ですし、
本年度の「西日本豪雨」ももちろん起こっていない時に書かれたのですが
読んでいてこれらの事を思い出しました。
そして「大災害」に陥った国に対して他国王女の国が「援助」を
申し出ます。
「タダでくれる物は貰わな損損」とばかりに大喜びする他国王族ですが
これも日本のODAで「働かなくても金がもらえる」とやる気を失っている
某国々と似てませんか?
しかも「作物の種も差し上げます」と実に耳触りのいい
申し出をしているのですが実はちゃっかり「大規模作物実験場」として
利用しようとする魂胆が隠されていて…
「食料を握られるということは、命を握られることになる。
我々は空の皿を前に、見えない鎖で繋がれた犬のようなものだ。
餌欲しさに主(あるじ)の命令には逆らえない。
極端な言えば、『沙維に兵を出せ』と言うような命令にも、
従わなければならなくなる」
なんかつい最近某国と某国の偉いさんが握手してましたよねえ…
ああ、怖い怖い。
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