Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

野心と美貌 林真理子

野心と美貌 中年心得帳 (講談社文庫)
野心と美貌 中年心得帳 (講談社文庫)
講談社
2014-04-15

内容紹介

ちょっと前まで、女は四十を過ぎれば“おばさん”になることができた。それがどうだろう。「美魔女」「アンチエイジング」などの言葉に躍らされ、いつの間にか“女の現役”から降りられなくなった私たち。

必要なのは、顔じゃなくて“心のリフトアップ”。

加齢が困難な時代を生きる女性に贈る美の極意満載のエッセイ集。


久しぶりに読んだエッセイ。
相変わらずの自虐と露出の毒々しさは健在。
ちょっとイヤミなとこもあるけど私は好きです。
というか、同年代と喋るよりも年上の人と喋る方が得るものが大きいから。
かと言って、年代問わず子ども同士が同級生と言う世代もマウンティングに繋がるから気が抜けないけど、子どもの年が離れいている、世代的にも離れている関係というのは競う部分が無いのでホント気楽。
麻雀でもお姉さま方が「もっと興味があることにどんどんチャレンジなさいな。
とりあえず試してみて、嫌だったら止めたらいい。でも、何もしない方が
もったいない」とか前向きに進むことをどんどんアドバイスしてくれるし。
一方、別のお稽古で知り合った70代のお姉さま。
こんな話をしてくれました。
某スポーツクラブにて。
ロングヘア、化粧はバッチリ、私服はミニスカでエアロの授業は最前列で踊っている70代女性。
ところが20代インストラクターの2人(♂)がロッカーみたいな人気のないところで
「あのババア、服装だけは若いよな」
「気持ち悪いよな」的な超悪口を散々言っていたそうな。
普段はきっと彼女を前にして「××さん、スタイルいいですよね」とか
「いっつも上手ですよね」位のリップサービスをしていたんだろうけど
裏ではくそみそだったとか。
で、それを聞いた時私は
「え~それ本人も聞いていたんですか?何かフォローしたんですか?
『気にすることないわよ』とかなんとか???」と聞きました。
(意外かもしれませんが、リアルではこんな風に一応空気読むので
フォローに入る方向に思考が行きます)
そこで返ってきたお姉さまの言葉。


「何にも。そこに居た誰も何も一言も言わなかった。
だって、皆 普段から思っていることだったから」。



こえ~~~~~~~
なんか底意地の悪さと言うかすげ~~~~~~
怖すぎる~~って聞いた時、鳥肌立った。
けれど現実はこんなもので下手に「アドバイス」すると
「あなた、私がコーチに人気があるからやっかんでるんでしょ!!」
位は言い返されそうですから…
ちょっと賢い人ならこんなエッセイでも読んで「あ、イタイ人にならないように
気を付けよう!」位の自衛の意識を持っているだろうし。
本人はいたって機嫌よくイタイ事をやってそれで他人からどう思われようと自分には
関係ないから放置が一番人間関係を維持していくのに有効なんですよね。
私ついついおせっかいと言うか「余計なひと言」で墓穴を掘ってますから…涙



というわけで、普段から「ちょっと年を取った時の正しい在りかた」を
真理子女史から指南を受けていたらここまでひどい事を言われる前に
手を打てたんじゃないのかな?と言ったことを思い出しながら読みました。
真理子女史なら「70女がロングにするなら週一でカット&トリートメントは
欠かさず、あ、カラーもね。プリンなんて問題外。
もっと言えば艶が無いのならショートにするぐらいの潔さは持つべき!」とか
言いそう。
おっせっかいでもやっぱり色々アドバイスしてくれる人はありがたい。
年を取ったらより「しなやかさ」が必要だとよく言われるのはそういうことかも。
要は「言い方一つ」なんですよねえ…