Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

かび 山本甲士

かび
かび
小学館
2016-06-17
Kindle本

ムカつく…。主婦が大企業相手に戦闘開始!


幼稚園の送り迎えでの些細なトラブル、ねちっこく繰り返される姑のいやみ、ウェイトレスの尊大な態度……日々の怒りを呑み込んで、波風を立てずに生きてきた主婦・友希江。しかし勤務中に脳梗塞で倒れた夫を退職に追い込もうとする会社のやり口に、ついにキレた! 主婦一人、地元の大企業相手に、手段を選ばぬ報復を開始! 誰にでもある日常の不満から、闘争へと突入していく主婦の狂気を描き出す「巻き込まれ型小説」の傑作、ついに文庫化!



先日アップした『つめ』が面白かったので過去作品を予約してみた。
ただ、読み始めてすぐに「え?」と違和感が半端ない描写が書いてある。
幼稚園に娘を入れているのだが、なぜか送迎を「車」でしている。
私の住む地域は保育園は別として幼稚園には徒歩もしくは自転車、
私立だと遠方はバス通園!みたいな風潮があり、
お迎え時に母親の車が道路にずらっと並ぶ描写がものすごく引っかかった。
しかもお迎えが夕方4時。
今でこそ「預かり保育」があるからそれもありかもしれないけど、
大半の親が車を連ねて4時に来るって…他の地域は普通なんですか?
さらにp8の『担任の保育士が立っていた』と言う描写は完全におかしい。
幼稚園の先生を表現するなら「教諭」。
この作家さん、保育園と幼稚園を完全に間違ってませんか?
2003年発行だから「こども園」なんて存在しないし。
幼稚園は文部科学省の管轄、保育園は厚生労働省の管轄。
これってなぜか私の母親が昔からよく口にしてました。
もしかして私が通った私立幼稚園は入園テストがあったので
当時母親が違いを説明せよ!と言われたのかもしれません。


まあ、校正さんがチェック入れなかったのか見落したのか不明ですが、
素人が書くブログではなく、仕事(収入源)として書いているのならば
こういう私みたいにネチネチとした読者に隙を与えない方が
良いと思います。毒


さて本文。
どこにでもいる平凡凡凡凡極まりない自主性も全く無い専業主婦の主人公。
はじめに書かれている描写なんてイラつきます。笑
諦めきって、惰性で生きていて、覇気もくそも無い。
けれどそんな主人公が夫が入院して会社を相手に暗躍し始める
描写なんて全くの別人行動!
メリハリを強調させる為に始めにあんなぼ~~~~っとした感じの
性格描写だったのか?と思うぐらいにラストのあたりでは人格崩壊してます。
しかも『つめ』はラストがハッピーエンドに近かったのに本作は
救いようがないバッドエンドで気が滅入る…
会社を相手に奮闘!と言えば「倍返し!」みたいな社会派ドラマを
想像しますが、何の何の。
ただただ「狂気」としか言いようが無く。これホラー作品?



初めの頃の主人公はこんな風に「普通」の人感覚も持っていた。p5~

昨年の秋、子ども同士のけんかが元で園内で口論を始めた二人の母親がいた。

どちらも感情的になって激しく言い争った後、

園長のとりなしで収まったようだが

二人とも他の母親たちからは敬遠されるようになってしまい、

立ち話などの輪にも入れなくなった。

正確に言うと、輪に入ろうとするとその輪がすぐに

崩れて散ってしまうのだ。

他の母親たちは「あ、もうこんな時間」などと言いだして、

貧乏くじを引かないように先に輪から抜けようとする。

派手なののしり合いで一時的に感情を爆発させた二人の母親はこうして

仲間外れとなり、一方はその後、父親が子供を迎えに来るようになり、

もう一方は別の幼稚園に変わってしまった。

<その他の大勢の母親たち>から嫌われるとどうなるかと言う、見せしめのような出来事だった。




父親がお迎え?自営業?それなら保育園に入れた方がよくないですか?
(しつこい。笑)