Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ひろいもの 山本甲士

ひろいもの
ひろいもの
小学館
2016-05-20
Kindle本

内容紹介

ものとの出会いで自分が変わる運命の物語。


対人関係に自信が持てないバイト店員、イベント司会ばかりの女優、喧嘩早い性格で転職を繰り返す元不良、いじめが原因で3年間引きこもる元高校生、恋人の死にうちひしがれる悲嘆の女性――。人生に躓いた人たちが、「ひろいもの」をすることで始める自己改革。セカンドバッグ、サングラス、警察手帳、ハンドグリップ、腕時計。思いが込められた道具を拾った人々に運命の転機が訪れる。

5つの物語をオムニバスで綴っていきながら、それぞれはリンクしていく。

『どろ』『かび』『とげ』の巻き込まれ型小説の名手として評価の高い著者が、あらたな手法で我々を魅了する、珠玉のハートウォームストーリー。




まあねえ…「ひろいもの」をしない事には話が進まないってことは
頭ではわかるんですが、どうしても「物を拾ったら警察に届けろ。
届けないのであればそのままにしておけ!」と言う気持ちの方が強く、
主人公が拾ったものを私物化したり、交番に行っても気後れして
持ち帰ったり…と言う描写がどうしても受け入れることができなかった。
確かに内容的には「ハートウオーミング」ではあるのだけれど
自分の倫理観というか行動パターンとは違いすぎて話にのめり込むことができなかった。


また、一篇目の話で「女性用のセカンドバック」を拾うのだけれど「それなに?」状態。2009年に初版だとしても女性用なら「クラッチバック」っていいませんか?
そもそも女性のカバンに「セカンド」は無いでしょう。
常に「ファースト」しか持たないし。
(持つとしたら「サブバック」であって、
そうなると用途とか素材が完全に変わってくる。今なら「エコバック」?)


男性用なら一昔なら「集金バック」というか
「チャック(ファスナー、ジッパーではない。笑)の付いた小脇に
抱えるバック」的に昭和臭orバブル臭を漂わせて「あり」かもしれませんが。
この作家さん意外と「言葉選び」に問題がありそう。
ついつい読んでいて突っ込んでしまうわけですよ。
「え?こんな風に言う?」みたいな。
スパッツをレギンス、Gパンをデニムと言ったり同じものでも
響きが変わるとグッとおしゃれになるとはいえ、
女性用セカンドバックとは元々から言わないと思います。



※「セカンドバック」で検索しても大体メンズ物しか出てこない。