Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

かみがかり 山本甲士

かみがかり
かみがかり
小学館
2016-04-28
Kindle本


内容紹介

髪型を変えれば、人生は前向きになる!


仕事で追い込まれている人も、私生活が冴えない人も、髪形を変えれば人生は前向きになる!ある町の女性理容師の店で始まる、胸のすくような6つの物語。

『わらの人』を改題しました。



出てくる主人公はおおむね「おどおど、びくびく、猫背、内向的」な人ばかりで
一篇目の「眉の巻」なんて読んでいてイラっとします。笑
ぶっちゃけ、人はいいのだけれど実際にはどこか人にバカにされて、
いいように利用されている人の典型的な描写です。
(大体そういう人を利用する時「期待しているよ」「君にしか任せられない」
的な事を言って押し付ける。本人は断れない。さらに悪循環…)
しかし何気に入った理容店でマッサージしてもらいうつらうつらしているうちに
出来上がったのを見て「え!!!!!」と狼狽するのがすべてのパターン。
「今での自分と全然違う…(ボーゼン)というか、こんな風にしてくれとは…」
けれどどの主人公もその見た目に合せるがごとく、行動そのものが変わっていく…
この手の変身パターンはこの作家さんの特徴だなあと最近よくわかるようになった。笑
初めはまったくどの人も「さえない人」なのに、何かのきっかけで前向きに
どんどん変わっていく。今回は特に「髪型」と言う変化が一目でわかるものを
取り上げているだけに実感が伴った。


で、この作家さん。私にミスを指摘されるのがお好きなようで。
p56

マークⅡは駐車場の側溝に見事に脱輪していた。

女は展望台のベンに座って、不機嫌そうに腕と脚を組んでいる。

(中略)

ベンに座っている女は、

一度こちらを見てからぷいとそっぽを向いた。


ベンツによっぽど乗りたかったんですか?毒