Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ひかりの魔女 山本甲士

ひかりの魔女 (双葉文庫)
ひかりの魔女 (双葉文庫)
双葉社
2016-10-13

内容紹介

浪人生の真崎光一は一日中家にいる。

そこへ祖母が同居することになった。

小柄で温厚で普通のおばあちゃん……と思ったらなんだかめちゃめちゃ多くの人に慕われてるし!?

周囲の問題解決してるし! たちまち家庭の状況も好転してるし!! うちのばあちゃん、一体何者!?

ばあちゃんにひっついていた光一だけが目にした奇跡の数々。

これぞ痛快、スーパーおばあちゃん小説!

今まで読んできた作品と傾向が違う。
まあ、なんていうか私みたいに偏屈な人間とっては面白くない作品だった。


と言うのも結構冒頭部分で祖母が混んだ乗り物に乗る時は「わざと腰を曲げて」
席を譲ってもらう行動を取り、空いている場合は背筋をぴん!と伸ばしてさっさと
乗って座る。こういった明らかに性悪というか計算した行動。
主人公の孫が「ばあちゃんはマインドコントロールが上手く、
本人たちには気付かれ無い様に上手く操って、しかも
『自分が先生にとっての一番のお気に入り』の座をキープしているかのように
錯覚させている」と見抜いているのにもかかわらず
自分もいつの間にか「信者」になっている。
そもそも今の時代でも男を引き付けるには「胃袋を掴む」のはテクとして
女にとって「常識」。(少なからずうちは適用中)
それが一昔しかも小学生相手ならもう最強テクなのは言うまでもない。


ところがこんな風に私がこの本に出てくる「おばあちゃん」をけなせばけなすほど、
「何言ってんの。いい話だったじゃない。私もイワシのぬかみそ炊き食べてみたいわ」
など密林のレビューにしろ読書メータ×にしろ「絶賛」評価しかない読者の間では
叩かれること受け合い。(嫌だけど)
悪態を書けば書くほど、私の意見&感想は拒絶される。(と、予想できる)
これって表面的には「素敵な可愛い嘘が言えるおばあちゃん」として受け止められる
かもしれないが、裏を返せばここまで人を上手く洗脳できるということでもある。
その意味では題名の「魔女」は納得である。
表紙のイラストが可愛いけれど、私のように偏屈者からみれば
「この笑顔の裏に闇がある」と「うすら寒い」気がした読後感だった。
正直、バアサンの人心掌握の上手さが苛立ちになり「この話、そんなにいいか?」と。
これを高評価する人って若い人が多いのかもしれないが将来「特殊詐欺」に
引っかからないといいね。あと正真正銘「宗教」とか。
見せかけに騙されるなよ。
見えていないことの方が真実ってことはよくある話。