Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

西の善き魔女3 荻原規子 薔薇の名前

西の善き魔女3 薔薇の名前 (角川文庫)
西の善き魔女3 薔薇の名前 (角川文庫)
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楽しい(?)学園生活は数か月で終了。そしてついに本丸の王宮へ。
魑魅魍魎を体現化しているかのような貴族との交流という名の駆け引き。
自然に囲まれて育った少女がすんなりとなじめるものではない。
そして現れる主人公の命を危機に晒しそうなやばい男。
そのことににより幼なじみ(♂)に別れを告げられ、さらにはその幼馴染の「アナル」の貞操を奪った男が暗殺される…←目茶苦茶サラッとした描写なので「男色家」という意味を知らない年代の子が読んでその意味が分かるんだろうか?と思ったよ…実は1巻でそのことが
これまたサラリと書かれていて全巻読んだ後もう一度読み直す必要がありそう
そして呑気な若君は女性陣の気持ちを知らずに竜退治への旅へ…という内容。
まあ、2巻のハチャメチャと比べたら数段つまらなかった


p82~

「今夜の夜会はそれほど大規模なものではないけれど、それでも宰相閣下の主催ではあるし、敵や味方が入り乱れてたくさん集う事には間違いないのよ。そのどちらもがにこやかに笑って愛想を振りまいているわ。本音は飾られた言葉の舌にわずかしか含まれていない。

わたくしたちは会話の中からそれを拾いだす必要があるの」(中略)

王宮ではね、古い物語に仮託して何か言う事を『楽園の言葉で語る』と言うのよ。そして本当に重要な事を言う時にだけ使用するの。楽園の言葉は生粋の王侯貴族にしか通じるものではないし、そのサインを、気の利いた仄めかしに使うことができないようならその人は王宮にいる資格が無いのよ。そういえば、少しは特権の理由が理解してもらえるかしら。

昔ならば、正真正銘の女王家しか使えなかったそうよ」



スパンと思ったことを言ってしまう私は速攻で王宮からたたき出されそうですね。
そして世襲…古くは大名筋を祖先に持つ人間が今の日本の政治を行っているとしたら
庶民出の菅ちゃんがその「上流階級のしきたり」に阻まれて思うように身動きできないのは当然の結果なのかもしれない…